”洋風の庭”に合う,コンパクトだけどシンボルツリーにもなってくれるような「花木」をどれにするか?また虫もつかなくて丈夫だとなお嬉しい・・・
ガーデニングを始めたばかりの頃,そんな理想の「花木」を求めて,まとめて紹介するようなサイトや本を調べてきました。ですが,和な感じであったり,誰もが良く知っているような「庭木」ばかりで,洋風の木を探していた自分には今一つピンときませんでした。
そこで時間をかけて1つ1つ調べたり,実際に試して育ててきたところ,求める条件に合致するおすすめの庭木・花木がたくさんあることが分かってきました。
そこで今回は,実際に育ててみて良かった,おすすめの『花が咲く常緑低木の庭木』をまとめて紹介したいと思います。
↓常緑低木の定義についてはこちらの記事をご覧ください。
植えて良かったおすすめ花木10選
①ウエストリンギア
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Westringia fruticosa |
花色 | 薄紫/白 |
開花時期 |
10月-6月 |
最大樹高/横張り | 1.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
ウエストリンギアは,オーストラリア原産の常緑低木で,別名「オーストラリアン・ローズマリー」と呼ばれます。実際,「ローズマリー」に枝葉は似ていますが,より細く繊細で,ローズマリーと異なり葉も花も無香です。また,株もこんもりと縦横ともに1.5m程度ボリュームがあり,より庭木として向いています。
そしてなによりうれしい特徴は, とても花期が長いことです。少なくとも10月から5月の半年は開花し,夏場もちょくちょく咲いてくれたりします。花の密度も高く,満開時はとても見事です。
また種類も多く,「ノーマルタイプ(通常の緑葉)」,「バリエガータ(斑入り)」,「スモーキーホワイト(シルバーリーフ)」と,様々なタイプの葉色,花色を楽しむことができます。
常緑・丈夫で育てやすいので初心者にもとてもおすすめな花木です。
↓こちらがスタンダードな緑の葉のタイプです。
斑入りのバリエガータはこちら!
斑入りのシルバーリーフのスモーキーホワイトはこちらの記事です!
②セアノサス(カリフォルニア・ライラック)
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Ceanothus |
花色 | 青 |
開花時期 |
3~5月 |
最大樹高/横張り | 1.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | やや弱い/強 |
セアノサスは,別名「カリフォルニア・ライラック」とも呼ばれ,青い花を咲かせる花木です。青い花を咲かせる庭木はいくつかありますが,ピュアな青色の花を咲かせる花木は少ないのでとても貴重です。
↓参考記事
また,花が満開となる4-5月には,青い手毬状の花が木全体を覆います。これがとても見事なんです。
我が家でも,幸い枯らすことなく育っていますが,育てるのが難しいと言われてこともあるようです。育成事例を調べると,風通し良くすること,暑さにそれほど強くないので,夏場に直射日光が連続してして当たる場所に植えないことがポイントのようです。
これらを守って数年育てて土地に根付いてくれれば,毎年美しい青花を咲かせてくれると思います。
③レウコフィルム
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Leucophyllum frutescens |
花色 | ピンク紫 |
開花時期 |
5~6月/9~12月 |
最大樹高/横張り | 1.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
レウコフィルム(別名:ニーオン)は, メキシコ原産の花木です。
葉はシルバーリーフで美しく,かつ常緑です。また,初夏と秋(こちらが一番の開花期です)に咲かせる花が,輝くようなピンク紫でとても美しいです。
かつ常緑で丈夫で育てやすい,と良いとこだらけの庭木だと思うのですが,それほどメジャーで無い木がします。
我が家では3号ポットから育てて,2年ほどで1m以上に程度に成長しました。若干枝が暴れますが,1.5m以下でキープできてコンパクトで手入れもしやすく,とてもおすすめな庭木です。
④ドドナエア(ホップブッシュ)
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Dodonaea viscosa |
花/莢(さや) | ピンク/ピンク |
開花時期 |
4~5月 *鑑賞価値のある鞘(さや)は6月頃にできます |
最大樹高/横張り | 2.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
ドドナエアは,オーストラリア原産の個性的な常緑低木です。
魅力は,その独特の樹姿と細い葉です。特に,プルプレアと言われる品種の冬場の紅葉がとても美しいです。しかも,葉は落葉せず常緑です!
そして同じくらい魅了なのが,初夏に見せる鞘(サヤ)です。ピンク色で株一面に実り,とてもキレイなのです。
小さな苗から大きな鉢植えまで様々な形で購入可能ですが,とても成長がはやいです。我が家では,3号ポットから1年で1mを超えました。また,耐暑性・耐寒性も高くとても丈夫なので,初心者にもおすすめです。
その独特な樹姿だけでなく,紅葉,鞘ととても魅力の多い庭木です。
⑤トキワマンサク黒美人
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Loropetalum chinense |
花色 | 紅,白,濃紫(黒美人) |
開花時期 |
4-5月 |
最大樹高/横張り | 3m/2m(黒美人は最大高さ1.5mくらいのようです) |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
名前がいかにも和っぽいですが,和にも洋にも合う庭木です。特徴はなんといっても,真っ黒な丸い小さな葉です。ここまで黒い葉の庭木はなかなかなく,庭のワンポイントとして,垣根としても使えます。
一般的なトキワマンサクは樹高は3mくらいになりますが,黒美人は最大1.5m程度のようです(我が家の木は,2年間で1mくらいにはなっています,詳細は下記記事で!)。
また,春に株いっぱいに咲かせる花がとても見事です。庭木に黒のアクセントになるもの,といったら一番におすすめしたい花木です。
⑥カリステモン(ブラシの木)
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Callistemon |
花色 | 赤/ピンク/白 |
開花時期 |
5~9月(初夏,秋の2季咲き,品種により異なる) |
最大樹高/横張り | 3m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
カリステモンはオーストラリア原産の常緑低木で,特徴的な花姿が特徴です。別名,「ブラシの木」とも呼ばれます。その名の通り,初夏にブラシ状の花を咲かせます。花期は品種により様々で,1季,2季,4季咲きとあり,4季咲き品種は真夏以外に4回くらい開花してくれるのも嬉しい特徴です。
我が家では鉢植えで原種で赤花の「ドーソン・リバー」,地植えで4季咲きのピンク花の「ピンク・シャンペン」育てています。
葉は常緑で一年間ずっと葉をつけていますし,耐暑性・耐寒性とも高くとても丈夫で育てやすいです。庭に少しエキゾチックな雰囲気が欲しい方は赤や白花,かわいらしい雰囲気がすきならピンクやパープル系など,好みに合わせて様々なシーンに合わせられるとてもおすすめの花木です。
⑦ギョリュウバイ
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Leptospermum scoparium |
花色 | 赤 ピンク 白 |
開花時期 |
10月-5月 |
最大樹高/横張り | 1.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
こちらもオーストラリア原産の庭木です。園芸店で売られているときは,最小で3号ポットくらいととても小さいですが,地植えして長く育てると大きくなり、2m以上になります。
魅力はなんといっても,梅に似た美しい花です。花色は豊富で,赤,ピンク,白とあります。梅は2月に咲いてあっという間に散ってしまいますが,ギョリュウバイはなんと10月から5月くらいまで半年以上咲き続けてくれます。とても花期が長いのが特徴です。
一方,ギョリュウバイは育てるのが難しい(特に鉢植え)ことでも知られています。理由は,特に鉢植えの場合,その固い葉から水切れや根腐れに気づきにくいこと,また実際に水切れや根腐れに弱いことがあります。自分もなんども鉢植えで枯らしてしまってますが,その魅力い取りつかれて枯れても懲りずに購入し続けています。
その辺を覚悟の上で育てることが必要です。
⑧メラレウカ(ティーツリー)
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Melaleuca |
花色 | 白 |
開花時期 |
4月-6月 |
最大樹高/横張り | 3m/2m |
耐暑性/耐寒性 | 強/普通 |
メラレウカは別名ティーツリーとも呼ばれる,オーストラリア原産の常緑低木です。
さまざまな種類がありますが,その中で特におすすめなのが,「レボリューション・ゴールド」という品種です。その名の通り,葉が鮮やかな黄金色をしています。
また冬の寒さに当たると,その葉色がより際立ってきて,より鮮やかな黄金色となります。
また,初夏にカリステモン(⑥)に似た,ブラシ状の白い花を咲かせます。
園芸店では3号ポットから,鉢植えまで色んな形態で販売されていますが,庭植えにして年数を重ねると,3m近くまで大きくなります。
我が家ではまだ育成し始めたばかりで,まだ樹高60cmほどと小さいですが,鉢植えで育成しています。苗木の内はあまり寒さに強くないみたいで鉢植えですが,春が来たら庭植えにするつもりなので,その後の成長記録を書きたいと思います。
とにかく,ここまで鮮やかな黄金葉の庭木はあまりなく,とても貴重なおすすめ庭木です。
⑨フェイジョア
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Feijoa sellowiana |
花色 | 白(花弁),赤(雄蕊,雌蕊) |
開花時期 | 6~7月 |
実の生る時期 | 10~11月 |
最大樹高 | 3m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強(耐寒温度-10℃) |
フェイジョアは,ニュージーランド原産で,食べておいしい,見て楽しめるおすすめの常緑低木(果樹)です。
まず魅力は,その樹姿です。遠目にみると「オリーブ」に似ていますが,近づくと葉より丸く(オリーブの葉は細長い)異なることが分かります。また葉はシルバーリーフで,庭にモダンな印象を与えてくれると思います。
秋には,果実を実らせ,10-11月頃に熟して収穫することができます。この果実は食用でき,香りがよく甘酸っぱい味を楽しむことができます。ただし,果実を実らせるには,異品種の混植が必要です。
さらに夏(6-7月)には,その樹姿からは想像できないようなエキゾチックな花を咲かせます。この花は食べることもできるエディブル(edible)フラワーで,花びらを口にすると,あまい味がします。
我が家でも育てているのですが,苗購入当初になかなか植えつけずその間に弱ってしあったためか,地植え後になかなか開花してくれません。。今年(2021年)こそは期待している花木です。
⑩シルバープリペット
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Ligustrum sinense ‘Variegatum’ |
花色 | 白 |
開花時期 |
5-6月 |
最大樹高/横張り | 1.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
庭木としてだけでなく,生垣にも使われる「シルバープリペット」。特徴はまず,モダンな印象の斑入りの葉です。しなやかな幹,枝と相まってモダンな印象を与えてくれます。
また,見逃しがちな魅力が初夏に咲かせる白い花です。これが株一面に咲き,満開時は株が真っ白に見えるくらいに豪華に咲きます。そして,その花の香りがとても甘くていい匂いなのです。
また性質も,生垣に使われるだけあって,とても強健です。数年育てていると,冬でも落葉しなくなります。初心者におすすめの庭木だと思います。
まとめ
今回は,洋風なお庭に合う,本当におすすめの花木をまとめて紹介しました。いずれも,常緑・丈夫で,樹姿が美しい自信を持っておすすめできる庭木ですので,是非,木の特性やお庭のレイアウトに合わせて,検討してみてください!