ドドナエア(別名,ホップブッシュ or ポップブッシュ)は,オーストラリア原産の常緑低木です。夏には緑,冬は銅色に紅葉する細長い葉っぱが個性的なドドナエア。春には花が咲き、初夏には種子を被う鞘(サヤ:莢とどちらが正しいか不明)ができます。このピンク色の鞘が,花のように美しいのもドドナエアの魅力です。
我が家では,そんなドドナエアを3株育てています。地植えを2本と,鉢植え1本です。実際育ててみて,春には花が咲き,初夏は鞘が美しく,秋から冬にかけて葉の紅葉も楽しめたりと,1年通して見所が多い庭木と感じています。また,特に地植えの場合に非常に成長が早く,さらに虫がつきにくく初心者でも育てやすい庭木と思いました。
今回は,我が家のドドナエアの約2年間の成長と開花,さらに鞘ができるまでを記事にしてみました。地植え,鉢植えで成長に違いも見られましたので,その辺にも焦点を当てたいと思います。
基本情報
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Dodonaea viscosa |
花色/莢 | ピンク/ピンク |
開花時期 | 4~5月 *鑑賞価値のある鞘(さや)は6月頃にできます |
最大樹高/横張り | 2.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強(耐寒温度-10℃) |
ドドナエアの種類
銅色あるいはチョコレート色の葉のプルプレアが有名です。緑の葉色を保つ品種もありますがあまり出回らないようです。下で成長記録を紹介しているのも全て「プルプレア」です。ちなみに,ドドナエアは「ポップブッシュ」とも呼ばれますが,英名は「hop bush」なので正確には「ホップブッシュ」ですね。
ドドナエアの雌雄と花・鞘
ドドナエアには,雌株,雄株があります。さらに雌雄同株の個体もあるようです。雌雄は4月頃に咲く花の形で区別できます。雌株の花(雌花)は,雄花より小さく,開花するとしばらくしてアンテナのような雌しべが突き出してきます。一方,雄株の花(雄花)は,もちろん雌しべの突き出しはなく,もう少し花っぽい形をしています。いずれも,2~3mmと小さく鑑賞価値はあまりないと思います。
また,見どころである初夏の『鞘』は,雌株のみにつくようです。雄株にも『鞘』がつくことはあるようですが,数は少ないです。『鞘』は最初は白っぽい色をしていますが,熟すにつれだんだんピンクや赤色に変色していきます。我が家のドドナエアの例が後にでてきますので,参考になればと思います。
ドドナエアの水やり
庭植えでは,地植え直後に水をやって以降は,降雨のみで大丈夫です。鉢植えの場合は,明らかに土が乾いたと分かるときだけ水やりすれば十分です。
ドドナエアの病気・害虫
虫は全く出ないです。理由は,その特徴的な葉にあります。一般的には庭木は,若葉は柔らかく虫を引き寄せますが,ドドナエアは年中葉が固いため,虫の食用に適さないようです。
ドドナエアの成長
2018年3月に園芸店で小さな苗を2株買い,1株を地植え(①),1株を鉢植え(②)にしました。その後,2018年5月に1株買い足し地植え(③)しました。つまり,地植えが2株(1つは成長に2カ月の遅れ)に,鉢植えが1株です。後で分かったことですが,①のみが雄株,②③が雌株だったようです。
地植えした2株は,西側花壇に植えました。日照時間は,11~15時くらいです。鉢植えは,南側の庭に置いています。
2018年5月
こちらは先に地植えした株です。植えてからは2カ月経ちますが,高さは30cmくらいで,庭木というよりは枝のような状態です。
2019年4月下旬(1年後)
1年後です。枝のようだったドドナエアが,かなり大きくなっています。フェンスが1mくらいなので,1年半で30cm→1m程度と3倍以上に急成長しました。
もう1つ2カ月遅れて地植えしたドドナエアです。手前の『ウエストリンギア バリエガータ』の背後で見ずらいですが,こちらは少し小さく70cmくらいです。
2019年12月(1年7カ月後)
1年半ほど経ってしまいましたが,フェンスを楽々超えてかなり大きくなっています。フェンスが1mなので,1年半で30cm→1.3m程度と急成長しました。横張りも同じくらいあります。見た目は少し繊細な雰囲気のあるドドナエアですが,見た目よりかなり成長が早い庭木だと思います。
気温が下がって,葉が銅色に紅葉し始めています。写真だと伝わりにくいですが,葉が薄いためか,日の光が当たると葉が透けて色合いが変わり,とても美しいです。
同じ西側花壇の別の場所に,同時期に植えたドドナエアです。左にあるセアノサスと右にあるウエストリンギア(バリエガータ)に挟まれてきつそうですが,高さ1.1mとちゃんと育っています。
2020年2月(1年10カ月後)
(逆光がひどいですが。。)さらに紅葉が深まってはっきりとした銅葉になりました。高さは1.3mほどです。今後,2mくらいになってくれると隣家との目隠しにもなってくれてうれしいです。来年には到達してくれると期待して成長を待ちたいと思います。(ちなみに,縛り付けてある紐は,2019年10月の大型台風のときに強風で倒れないよう後ろのフェンスに括り付けたものです。面倒なのでそのままにしています。)
こちらが鉢植えしたドドナエアです。やっぱり地植えよりサイズは小さく,高さは70cmほどでした。
2020年4月上旬(開花)
こちら一番大きい最初に植えたドドナエアです。春になり葉色が変わってきました。古い葉が落葉して,緑の葉が出てくるというより,気温が上がって銅色葉が緑色に変色してきているようです。
よく見ると小さな花がたくさん咲いています。大きさで言うと2~3mm(ミリ)くらいでしょうか?この形は雄花です。とても小さく色も葉色に近いので,正直あまり目立ちません。鑑賞価値はそれほど高くないと思います。
鉢植えの方も開花しています。こちらは,雌花のようです。一カ月後には,美しいピンク色の鞘が見られると思いますので,その時を待ちたいと思います。
2020年6月上旬(初の鞘つき!!)
葉っぱがかなり青々としてきました。こちら,雄株にもかかわらず,目立たないですが,2~3個ほど鞘が付き始めています。
もう一つ地植えした小さい方のドドナエアです。まだ,色は濃くなっていませんが,鞘がかなり出来ています。花形の確認は忘れてしまったのですが,この鞘数からして雌株だったのでしょう。ただ,左の『セアノサス』,右の『ウエストリンギア バリエガータ』に押されてイマイチ樹形が残念な感じ見えます。
我が家の地植え株だと残念ながら鞘の魅力が伝わりにくいので,鉢植え(雌株)のほうを見てみます。鉢植えは葉がスカスカだったのですが,理想的なきれいなピンク色の鞘がたくさんついています!
こうやって見ると,ちょっと『和』っぽい雰囲気もあるでしょうか。となりにいる花が終わりかけの『ギョリュウバイ』も『和』っぽい雰囲気なのでよく調和していると思います。
次が鞘のアップです。
鞘の中には種が入っているので,その部分にふくらみがあります。このふくらみの部分に日の光が当たり,鞘がピンク色に輝いてとてもキレイです。
2020年8月中旬
真夏になり連日の猛暑ですが,『ドドナエア』は楽勝です。葉は,殆ど緑に入れ替わりました。背丈は2m弱とまた一段と大きくなっています。
まとめ
今回は,細長い銅葉が美しいドドナエアの成長と開花,さらに最大の見所である『鞘』がつくところまで紹介しました。実際育ててみて,成長が早く,丈夫でとても育て易いです。さらに,紅葉するのに落葉せず,花も咲き,鞘も美しい,と欠点が見つからない庭木だと思っています。最終樹高は3mくらいのようですので,シンボルツリーにも使えると思います。おすすめです。
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