ギョリュウバイはオーストラリアやニュージーランド原産の常緑低木です。小さな葉がギョリュウ(中国原産の葉),花が梅に良く似ているため,日本では「御柳梅(ギョリュウバイ)」と呼ばれるようになったそうです。高級ハチミツ,マヌカハニーの花の蜜としても知られています。花の色は、白、薄いピンク、赤などがあります。そしてなんと言っても,花の少ない冬場に花を咲かせてくれる貴重な低木です。
我が家では,このギョリュウバイを育成が難しいと言われている鉢植えで育てています。いくつか失敗もありましたが,2年ほど育ててみて,育て方のコツも分かってきました。また,かつ1つ1つの花もちが良い上に花期も非常に長く,我が家では7カ月連続で咲いています。記事では,ほぼ毎月の育成記録と合わせて,実際育ててみて分かってきた鉢植えでの育て方のコツについてもご紹介したいと思います。
基本情報
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Leptospermum scoparium |
花色 | 赤 ピンク 白 |
開花時期 | 11~5月 |
最大樹高/横張り | 2.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 普通/強(耐寒温度-10℃) |
ギョリュウバイの育成場所と水やり
庭植えでは,特に場所は選びませんが,強い直射日光に当たる場所は避けたほうがいいと思います。植え付け直後に水をやって以降は,降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は注意が必要です。ギョリュウバイは,葉の固くとがっているため,葉の様子から水枯れが分かりにくいです。夏の間は,よほどケアしないと,うっかりによる水のやり忘れ⇒水枯れが置きやすいです。ですので,花の咲かない夏の間は,鉢を北向きの場所など日陰においておくと良いと思います。そして,10月中旬以降,気温が下がってきたら日当たりに戻します。花期(10月~5月あたり)も,土の表面が乾いていたら,水を遣るようにします。
ギョリュウバイの病気・害虫
葉が一年中固く虫の食用に適さないようで,全く出ないようです。
ギョリュウバイの施肥
緩効性肥料を花終わりの3~5月,花の咲き始めの10~12月に与えるといいようです。肥料の種類は,お手軽な化成肥料マグァンプKをお勧めします。
ギョリュウバイの成長記録
*半年に一回のマグァンプ適量と降雨のみで育成
2018年10月
小さい苗を3株くらい買いました。買った当時,株の高さは40cmほどでした。水遣りの管理が悪かったせいもあり,生き残ったのは1株だけです。植替えのダメージもあったのだと思いますが,ギョリュウバイは加湿にも,水枯れにも弱く,また見た目で分かりにくいので,おそらく加湿による根腐れが原因だと思われます。
残り1株も冬に枯れたかと思い,北側のほとんど日の当たらない裏庭に放置していました。2019年1月~9月まで,この環境で1年ほど過ごすことになります。結果的に,この期間のおかげで水枯れせずに済んだのだと思います。
2019年10月
ふと裏のギョリュウバイを見てみると蕾がでてきていることに気づいて,日当たりのいい南側に移動させたのが下の写真です。
2019年12月
その後満開になって,1カ月たっても蕾がたくさんできました。花持ちもとても良いです。あと,寒くなると紅葉する性質があり,葉が茶色を帯びてきているのがわかると思います。
2020年2月
さらに紅葉が進んでほぼ銅色葉に変わってきました。それにしても,花の勢いに衰えが見えません。また,一つ一つの花もちがいいので,鉢のまわりが花がらで汚くなることもありません。
2020年3月
暖冬でかなり暖かくなってきましたので,少し花も減ってきました。株元の雑草が,逆に春の到来を感じさせます(笑)。2019-2020年は結局,10月~3月と約半年近くも花を咲かせ続けてくれました。花の少ない冬の時期に本当に貴重な存在です。本年度もありがとうございました。
2020年4月
と思ったらまた花が復活してきました。新しい蕾も続々とできています!本格的に春を迎えて,緑色の新葉もでてきました。それにしても,長く咲いてくれます。(ちなみに,鉢に植えにあるわらみたいのは,娘が「お花のエサ」といって振りかけていた芝刈りの後の残骸です^^)
これで花期は半年(連続)達成です!!
2020年5月
5月になり,葉もより青々としてきました。この時の樹高を測長したところ55cmでした。ずっと鉢植えですが,約2年で40⇒55cmの成長です。ちなみに,これまで剪定は一度もやっていません。地植えの場合は,成長が早くなるので,剪定が必要のようです。
花の色も心なしか,赤が強くなってきているようです。4月にできた蕾が次々と咲いています!まだ,当面は花を楽しめそうです。
これで花期は7カ月(連続)達成です!!
まとめ
ギョリュウバイは葉が固く水切れが分かりにくいことから,特に鉢植えでは育成が難しい低木として知られています。しかし今回のように,花が咲かない夏場は北向きの(半)日陰において水切れを回避し,水枯れの心配の少ない秋から春までを南向きの日向において成長を促しつつ花を楽しむ!方法でうまく育てて行けそうです。梅に似た個性的な花が和にも洋にも合い,冬に花を咲かせてくれる貴重な存在。花期もかなり長く(7カ月連続は確認済),とてもおすすめできる庭木です。
★★★★★
ギョリュウバイが植わっていた場所で印象的だったのは,大船の日比谷花壇大船フラワーセンターとか,湘南台の園芸店のLucy Grayです。機会があったらご訪問をおすすめします。