今回は,春に明るい白花を咲かせる『イベリス』についてです。「イベリス」は「宿根イベリス」とも呼ばれますが,常緑の濃い緑の葉っぱと対照的な,真っ白な小花を集めたような花が特徴です。その名はスペインの『イベリア半島』に由来しているようですが,地中海原産の植物らしく,暑さ寒さに強いのが特徴です。
我が家でも育成してみて,実際に暑さ・寒さの両方にとても強く,数度の植え替えにも耐えて,一度に枯らさずに育てることができています。また,あまり大きくならず育てやすく,ほったらかしの管理でも毎年きれいな花を咲かせてくれます。今回は,そんなイベリスの3年間に育成記録について紹介します。
基本情報
種類 | 常緑多年草(亜低木) |
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学名 | lberis |
花色 | 白 |
開花時期 | 3-5月 |
最大高さ/横張り |
30cm/30cm |
耐暑性/耐寒性 | 普通~強/強 |
イベリスの種類
イベリスは,もともと一年草(アマラ,ウンベラータ),多年草あるいは亜低木(センペルビレンス)と様々なタイプと,それに紐づく品種があるようです。
園芸店に『宿根イベリス』などとして出回っている殆どが,今回紹介する多年草あるいは低木に分類され,毎年花が咲く「イベリス・センペルビレンス」です。
ですので、品種選びに迷ってしまうことは殆どないと思います。
日当たり
日当たりを好みます。日当たりが悪いと枝が間延びしたり,花付きが悪かったりします。
水やり
地植えの場合は水遣りは不要です。地中海原産の植物らしく,乾燥にはかなり強いようです。
成長記録
2018年5月(植え付け)
園芸店で,開花後の苗(3.5号ポット)を買ってきました。
地植えした場所は,西側花壇の2か所。
1つは西側花壇の南側,第2シンボルツリー「オリーブ」の木の下あたりです。木の下あたりといっても,もともと日ざしが強い上に,木の南側に植えているので,かなり日照時間は長いです。夏だと10~15時くらいで直射日光が当たる場所です。
2つ目は西側花壇の北側の玄関前あたりです。ここにも記事にしていないオリーブがあるのですが,その株元あたりに植えています。西側花壇の南側よりは日照時間が短いですが,夏だと12~16時くらいで直射日光が当たる場所です。
まず最初に,2018年に西側花壇南側に植えた「イベリス」です。開花後の苗なので花は咲いていません。
ちなみに花の形が似ているので紛らわしいですが,隣(写真上側)に植わっている白花は「スーパーアリッサム」です。
2019年3~4月(1回目の開花)
この時期に最初の開花があったのですが,あろうことか写真を撮るのを忘れてしまいました。。
2019年12月
だいぶ写真をさぼっていまして・・・,もう2夏も過ぎてしまいましたが,西側花壇南側に植えた「イベリス」は元気です。
イベリスは寒さにも強くて,真冬でも常緑をキープできます。そして,寒さのピークが明けた翌年2月くらいから,早くも新芽が出始めます。
2020年4月(2回目の開花)
イベリスの開花シーズンになっていました。2019年4月以来の2回目の開花です。
こちらは3月下旬頃に咲き始めた頃の様子です。
開花初期は,小花の数が少なかったり,蕾が開き切ってなかったりして,花は少し小ぶりだったり,形が揃わないものが目立ちます。
4月中旬になり満開になってきました。小花の数も増えて花のサイズも大きくなり,迫力が出てきました。
3月下旬~4月下旬の一カ月ほど咲いて,イベリスのシーズンは終了です。
2020年8月
真夏になりました。この年(2020年)の夏は本当に暑くて,いくつかの植物は弱ってしまったり,枯れてしまったりしましたが,『イベリス』は葉っぱこそ少し減りましたが,無事に生きてます。
次の写真がアップです。やはり,ちょっと葉が落ちてしまっているように見えます。
ちなみに,枝に注目すると少し木質化していることが分かります。
イベリスは草花の1種である多年草または亜低木に分類されますが,亜低木に分類されるのは,その辺に理由があると思います。
それにしても,もう2年以上地植えしている割には,高さ20cm,サイズは20~30cmくらいと,あまり大きくなりません。イベリスの成長はゆっくりのようです。
次の西側花壇北側のイベリスです。
先日記事にした「ディコンドラ(ダイカンドラ)・シルバーフォールズ」が広がってしまっていますが,その隙間に植わっています。(実際には,イベリスの株間の隙間を植えるように,ディコンドラが広がっているのですが。。。)
次の写真がアップです。
雑草が多くて見ずらいですが,葉が落ちずにたくさん残っていて元気に見えます。
北側で直射日光の時間が短いためでしょうか。ともかく,8月中旬のこの夏の暑さなのに,とても強健に育っていると思います。
2021年1月
真冬になってきました。まずは南側のイベリスです。
実は,秋口のまだ暑い頃に,左にある赤い葉の「コプロスマ」と黄金葉の「ロニセラ」を植えるために,植え替えて少しだけ場所を移動してます。
真冬でかつ植え替えにも耐えて,常緑をキープしてくれています。そういえば,これまで『イベリス』を育ててて来て,一度も枯らしたことが無いです。暑さ寒さ植え替えに強く,とても強健な植物だと思います。
こちらが北側に植えた「イベリス」です。
このイベリスも場所移動のため植え替えをしたためか,少し葉を落としていますが,常緑をキープしています。
2021年3月(3回目の開花)
開花のシーズンになってきました。ちなみに,園芸店では2月くらいから開花苗が売りに出されていますが,関東以南で地植えした「イベリス」の開花は早くて3月中旬以降のようです。
それでは,3月上旬から開花の様子を見ていきます。
まずは、西側花壇の北側に植えたイベリスです。相変わらず荒地感が凄いですが(苦笑),明るい緑色の新芽が出ています。
新芽は真冬のピークが過ぎた2月中旬ころから生え始めます。そして,3月上旬から小さな蕾も出来てきました。
こちらが3月下旬の様子です。まだ本開きではないですが,だいぶ花が開いてきました。
1年前の開花のところでも書きましたが,開花初期は花の形が整わない場合が多いです。
同じ場所なんですが,こちらの株はだいぶしっかりと花が開いてきました。
さらに一週間後です。周りの植物も開花をし始めて,よりイベリスが映えます。
左の白花が「ローダンセマム」,青花は「アジュガ」,右のピンク花が「ボロニア」
です。
同時期(3月下旬)の西側花壇の南側の様子です。
写真左側の『ローダンセマム』は,満開です。一方,『イベリス』ですが,日当たりはこちらのいいはずなんですが,まだ咲いていません。
2022年3~4月(4回目の開花)
この年は,いつもより遅れて3月中旬くらいに開花しました。
4月下旬にまで長く開花してくれてので本当にありがたいです。
まとめ
今回は,春先に純白の花を咲かせる『イベリス』の3年間の成長について記事にしてみました。
実際育ててみて,とても強健で,大きさも最大30cm程度と大きくなり過ぎず,水遣り・剪定不要のほったらかしの管理でも育てられました。また何といっても,春の訪れを感じさせる純白の花が美しい,とてもおすすめ植物です。