今回は個性的なオーストラリア原産植物(オージープランツ),『カリステモン』について紹介します。和名では,『キンポウジュ(金宝樹)』とか『ブラシの木』などと呼ばれます。特徴はなんといってもそのブラシのような花形です。その名の通り,ボトルを洗うブラシにそっくりな形をしています。また,原産地オーストラリアでは,小鳥が集まる木としても知られています。
我が家では,最もメジャーな品種である赤花の『ドーソンリーバー』という品種を育てています。実際育ててみて,その特徴的な外観から凡庸になりがちな植栽にインパクトを与えることができてとても重宝しています。今回は,カリステモンの成長と開花について記事にしてみました。鉢植えなので,ガッツリとして成長はないですが,”実際育ててみないと分からない”開花まで細かな過程や,鉢植えならではの育て方の注意点についてもまとめてみました。
基本情報
種類 | 常緑低木 |
---|---|
学名 | Callistemon |
花色 | 赤/ピンク/白 |
開花時期 |
5~7月(1季咲き,初夏・秋の2季咲き,4季咲きなど品種により異なる) |
最大樹高/横張り | 3m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
カリステモンの種類
特徴的な花姿のカリステモンですが,色のバリエーションも豊富です。
・ドーソンリバー
最もメジャーな赤花の品種です。我が家で育てているのもこの品種です。花は初夏と秋の2季咲きです。
・ピンクシャンペン
ピンク花の品種で,4季咲きです。この品種の実際に育てた成長記録(地植え)はこちらの記事にまとめています。
・パープルスプレンダー
赤紫色の花の品種です。紫が少し入るだけで,だいぶ落ち着いた印象を与えてくれます。花は初夏の1季咲きです。
・ホワイトアンザック
白花の品種です。ブラシ状の白花は控え面な印象を与えてくれます。他の濃い花色と低木と合わせても良さそうです。花は初夏・秋の2季咲きです。
カリステモンの育て方
基本的にはとても丈夫で暑さにも・寒さにも強く,葉も殆ど落としません。しかし,他ではメラレウカとかも同じでオージープランツの宿命といいますか,水切れには大変弱いです。水切れすると株が大きなダメージを受けてしまいます。我が家のカリステモンも,下にも書いていますが,一時期,夏場に水切れさせて大量に葉が落ちてしまいました。
カリステモンの成長記録
カリステモンの置き場所
買った時の状態そのままで,8号バチに鉢植えしています。シンボルツリーのシマトネリコのすぐ北側の場所においています。ほぼ1日中直射日光が当たる場所です。
2019年4月
成長記録なのにいきなりで恐縮ですが(笑),買ったばかりのときの写真がなく,たまたま写り込んでいた写真ですみません。。場所は,門袖の手間の右手にある,第2シンボルツリーのオリーブ(ロシオーラ)の左奥にあります。台形のグレーの鉢に入っています。後から出てきますが,グレーの鉢には直接土はいれてなく,買ったときの鉢(8号)にグレーの鉢をかぶせているだけです。
2019年7~9月
夏本場のこの時期,写真がなくすみません。。5月下旬ごろに無事開花しました。開花の様子は2020年の夏をご参照ください。。
一点,育てる上で注意点なのですが,夏のこの時期に水切れさせてしまい,大量の葉が落ちたことがありました。幹だけになるようなことはなかったですが,やはり見た目は悪くなりますし,落ち葉の掃除が結構大変でした。なんとか冬には回復したのですが,オージープランツ全般の弱点なので,ご注意ください。
2020年1月
夏場の落葉からは,秋口には回復しました。その後は,冬に入っても全然葉を落としません。常緑と言われる木はいろいろありますが,ここまで葉をキープできず常緑樹もなかなかないかもしれません。水切れさえしなければ,かなり強健な植物のようです。
2020年4月上旬
殆ど葉を落とさず,真冬を乗り切ったカリステモン。新芽が出てきました!右下に写り込んでいる,ローダンセマムもきれいです。
一見,花でも咲きそうな蕾にも見える新芽ですが,これは蕾ではありません。これが広がって,新葉になります。
2020年4月中旬
蕾のように見えた新芽ですが,開いて新葉が広がってきました。新しい葉はピンクががっていて,産毛が生えています。
4月も下旬になり,開いた新芽の先端のいくつかに蕾ができ始めました。新芽が開いてから蕾ができるまで本当にあっという間でした。毎日観察していたのに気づかないくらいです。蕾がついているのは,新芽の全体の2割くらいでしょうか。5箇所くらい,房状に蕾ができているようです。
2020年5月中旬
初夏に入り,蕾が開いてきました!赤い糸がほどけていくような様は,なんだかとても神秘的です。ちなみに,この赤い糸は花弁ではなく,「花糸」と呼ばれる『雄しべ』の部分です。本来の花弁はとても小さく目立ちません。
展開がとても早いですが,上の写真の翌日,ついに開花しました。蕾から赤い糸が飛び出たような状態から,あっという間にブラシ状に変化しました。
さらに翌日,蕾が全て開いてくれました!
次が,樹全体の開花の様子です。まだまだ花数は少ないですが,蕾がまだまだあるのでこれからたくさん咲いてくれるでしょう。カリステモンは四季咲きなのも嬉しいところです。
あと,上の方には新葉がたくさんありますね。新しい葉の表側は細かい毛に覆われています。葉の裏側は古い葉と同じで無毛です。
この後,6月中旬くらいまで花が続いて,1回目の花期が終了しました。
2020年8月上旬
長い梅雨が終わりましたが(7/31),今年も7月下旬に葉が大量に落ちてしまいました。昨年の反省を生かして,水切れには注意したつもりなのですが。。
次の写真は,そこからうぶ毛つきの新しい葉が少し出てきた時点のものです。もしかしたら,葉の生え替わりでこのように落葉する性質なのかもしれません。少なくとも,昨年の実績でもっと酷い落葉から問題なく成長しているので,枯れはしないと思っています。また秋の開花を楽しみにしたいと思います!
まとめ
今回は,初夏に咲くブラシ状の花が特徴的なオージープランツ ,カリステモンについてご紹介しました。初夏になると開花もひと段落してバラが庭の中心になることもあると思いますが,カリステモンがあると,その特徴的な花姿とその鮮明な色から庭にインパクトを与えることができると思います。初夏・秋の2季咲きというものも,ガーデナーにとってはうれしすぎる特徴です。凡庸になりがちな庭でアクセントを加えたい方に,花の雰囲気が好みに合えば鉢植えでも地植えでもおすすめできる庭木です。
★★★★