今回は,『ユーフォルビア』の成長記録です。トウダイグサ科ユーフォルビア属は2000種以上あると言われていて,種類も草花では一年草や多年草,多肉植物,さらに低木まで幅広く存在しています。その中で,草花のカラキアス系に分類される「ユーフォルビア」は欧米の本格的なお庭に好まれて植えられているようで,海外で特に人気の植物のようです。個性的な花姿ですが,確かに葉は常緑で育てやすく,花期も長くて優秀な植物です。サイズも最大で80cmくらいと比較的コンパクトなので人気なのも納得です。
我が家では,小さな3号ポットから育ててみましたが,育成から2年ほどで80cmほどに成長し春先から初夏まで毎年花を咲かせてくれるようになりました。
基本情報
種類 | 草花 常緑多年草 |
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学名 | Euphorbia characias subsp. wulfenii |
花色 | 黄色 |
開花時期 | 3-5月 |
最大草丈/横幅 | 80cm/80cm |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
ユーフォルビアの種類
多年草タイプだけでも見た目が全く異なる品種があるユーフォルビアですが,ここでは今回育てたタイプでもある,多年草(草花)の「カラキアス系」という品種の中でメジャーな3品種を紹介します。
①ウルフェニー
カラキアス系の代表種で,欧米ではよく普及している最もメジャーなユーフォルビアの品種。シルバーグリーンの葉が美しい品種。大型で黄緑色の花穂も大きいです。今回育成した品種です。
②ブラックバード
ユーフォルビア・ブラックバードは、ユーフォルビア属カラキアス系の中でも比較的新しい品種で,その名の通りブラックのカラーリーフが魅力の品種です。春から夏にかけて周りの植物のグリーンとのコントラストを楽しめます。
③ユーフォルビア ‘アスコット レインボー’(ゴールデンレインボー)
イエローの斑入り葉が特徴のカラキアス系の品種です。秋に赤く紅葉するなど,季節による葉色の変化も楽しめます。
他に白い斑入りの「ユーフォルビア・バローシルバー」などもありますが,以上紹介したほどメジャーではないようです。
また同じ草花ですが,草姿が全く異なり白い花を咲かせる,ダイヤモンド系のユーフォルビアもあります。そちらについては,こちらの成長記録で紹介しています。
日当たり
日当たりを好みます。耐暑性,耐寒性ともに強い方ですが,真夏の暑さと蒸れは苦手としているので,風通しは良くしておくことと,長時間の直射日光が当たる場所は避けた方が良いです。
水やり
草花系のユーフォルビアは乾燥を好むので,地植えの場合は水やりは必要なく降雨のみで十分です。
肥料
草花系のユーフォルビアは,花穂を豪華に長期間咲き続けるためには肥料が必要です。肥料切れさせないよう,緩効性肥料を開花期の3月前に1回,肥料が切れたら株の成長のために成長期の夏前に1回施肥します。
剪定
ユーフォルビは成長後にそのまま枝を伸ばしっぱなしにすると,まばらな株姿になりがちです。株がある程度大きくなってきたら、花後に花茎を根元近くまで剪定することで,根元から伸びる新しい枝葉の成長を促します。結果的に,整った株姿をキープできます。
注意点としては,剪定の時に切った断面から白い液体がでます。有毒性があり,皮膚につくと被れる可能性があるので,ついたらすぐ洗い流すようにします。
病害虫
前述した有毒な白い液の効果と言われていますが,病害虫はまったくつきません。なので薬剤の塗布などは不要です。
成長記録
2022年2月
家の西側にある花壇に,秋ごろに購入してあった「ユーフォルビア ウルフェニー」の3号ポットを地植えしました。真冬ということもあり,かなりの荒れ地に見えます。。
今後の成長に期待です。
2022年3月
花期になりました。まだ分岐してなく一本の茎の先端に花穂が付きました。
4月の上旬には1つ1つの花が開花しました!本体はそのままで花穂の方が何倍も大きくてなんだかアンバランスな不思議な見た目です(笑)
2022年5月
5月になりさらにさらに大きく花が広がります。
ちなみに下の方に見える青紫の花は「アルペンブルー」という常緑多年草です。
2022年10月
暑い夏が終わり秋になりました。夏に成長期を迎えて,茎が分岐して株のボリュームが増しています。大きさは,高さ30cm,横幅40cm位になっています。
手前に見える黄緑色の光沢のある葉の植物は「ピットスポルム」という矮性の常緑低木です。
2022年12月
12月下旬になり,かなり冷え込んできていますが,ユーフォルビアはノーダメージで常緑です。冬に枯れたり寂しくならないのはポイントが高いです。
2023年3月
3月上旬になり,2度目の花期が始まりました。
この年は茎が分岐した分,花穂はたくさんついたのですが,イマイチ花付きが良くありません。「基本情報」にも書きましたが,草花系のユーフォルビアは花付きを良くするには肥料が必要です。実際,植え付け以来,施肥を一切しなかったのためこのようになったのだと思われます。育成の際は気をつけましょう。
2023年6月
6月下旬になりました。株の成長期に入り,さらに大きくなりました。サイズは,高さ40cm, 横幅60cmくらいはあります。
6月下旬ですが,下の方に見える「アルペンブルー」は初夏から継続して元気に開花しています。ちなみに,左の見える斑入り葉の植物は「ギンバイカ(マートル)」という常緑低木です。こちらも夏に素晴らしく美しい白花を咲かせます。
2023年7月
7月下旬の様子です。ユーフォルビアはそれほど大きく変わってませんが,ずっと咲かなかった「ギンバイカ(マートル)」が開花したので入れてみました。
2024年2月
だいぶ時間がたって半年後の翌年2月上旬です。株全体の横幅は大きくなっているのですが,枝が伸びて葉が少々スカスカに見えます。
冒頭の「基本情報」にも書きましたが,ユーフォルビアは成長後にそのまま枝を伸ばしっぱなしにすると,株姿が乱れがちです。株がある程度大きくなってきたら、花後に剪定するようにすると,根元からの枝葉の成長を促して整った株姿をキープできるます。
2024年3月
3月の開花期になりました。この年も特に肥料は(忘れて)やらなかったのですが,1年前より花付きは良くなりました。花穂の数は5つほどで,今後もさらに増えそうです。
ちなみに,手前に別品種のユーフォルビアを植えています。地植えして1年ほどですが,こちらも目玉模様の特徴的な花を咲かせています(子供が模様が気持ち悪いと怖がっていました(笑))。
2024年5月
5月中旬になりました。隣の斑入り「ギンバイカ(マートル)」がだいぶ繁ってきたので剪定し,反対側から撮影しました。少しすっきりしたので,下の方に見える「アルペンブルー」が満開になり始めているのが見えました。ちなみに,奥に見えるシルバーリーフは「セントーレア・ギムノカルパ」という,シルバーリーフとしては珍しくパープルの花を咲かせる常緑多年草です。
さすがに花も終わってきたので,この後一部剪定したのがこちらの様子です。まずは目につく花穂を切ってみたのですが,「基本情報」にも書いたように断面から白い液体がでます。
この白い液が結構な量で剪定した枝から滴り落ちてくるほどです。廻りが汚れるのと,そもそも有毒で手が被れたりする恐れがあるので,触れないように,触れたらすぐに洗い流すようにします。
ということで,花と花後の剪定が終わりました。育成から2年強経過して一通りの性質と,成長の過程は観ることができたので,今回の成長記録は以上です。
まとめ
今回は草花系のユーフォルビアのカラキアス系の品種であるウルフェニーを2年ほど育ててみました。実際育ててみて,冬でも全く色あせない葉の美しさと独特ではあるものの春の花期の存在感のある花とトータルの株姿の変化は魅力的だと思いました。ユーフォルビアの独特の雰囲気が好みなら,かなりおすすめできる植物です。
★★★★