今回は,日陰で育つおすすめの植物『アスチルベ』の記事です。「アスチルベ」はユキノシタ科チダケサシ属の多年草(宿根草)で,初夏に花穂を円錐形に広げて,ふんわりとした雰囲気の花を咲かせます。花色は様々ありますが,ピンク,白,赤などがメジャーです。日陰や多湿でも良く育ち,初心者でも扱いやすい植物です。
我が家では,日陰の多い裏庭で4種類の色違いの「アスチルベ」を夏頃(7月)から順次地植えして育成しました。実際育ててみて,暑さ寒さに強く,夏,冬と問題なく越して(宿根草なので冬に地上部はなくなります),翌年の初夏に見事な開花を見せてくれました。今回は,日陰を明るくしてくれて花色も豊富な「アスチルベ」の1年間の成長を紹介します。
基本情報
種類 | 草花-多年草ー宿根草 |
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学名 | Astilbe |
花色 | ピンク,白,赤 |
開花時期 | 5-7月 |
最大草丈/株幅 | 60cm/50cm |
耐暑性/耐寒性 | 普通/強(宿根草なので冬に地上部は枯れます) |
アスチルベの種類
「アスチルベ」の品種はたくさんありますが,その中で良く出回っているのが次の4品種です。
- ショースター(Astilbe 'Showstar')
一番良く出回っているタイプで,小型(~40cm)で赤,白,ピンク(濃い)があります。花も小型の円錐形ですが,花穂をいくつも出して豪華です。
- ファナル(Astilbe 'Fanal')
比較的大型(60cm~)の品種です。花は赤色(深紅)です。
- シスターテレサ(Astilbe 'Sister Theresa')
中型(40~60cm)の品種です。花は薄ピンクです。
- サンダーライトニング(Astilbe 'Thunder Lightning')
中型(40~60cm)の品種です。花は濃いピンク,葉は明るいライム色でカラーリーフとしても使えるのが特徴です。
今回の記事では,①ピンク,②薄ピンク,③赤,④白,の4種類の花色のアスチルベの成長記録を紹介します。品種は,アスチルベ・ショースター(①,③,④)と,アスチルベ・シスターテレサ(②)の2品種です。
海外のサイトですが,こちらのアスチルベの種類について詳しく扱っていました。
日当たり
日陰か半日陰で育てると魅力を発揮できると思います。逆に,乾燥や直射日光には弱いようなので,避けたほうが良いと思います。
水やり
半日陰か日陰に植える植物なので,地植えの場合は基本的に水切れすることはないはずです。そのため,基本的には水やりは不要ですが,夏場に土がカラカラになっていたら水やりが必要です。
増やし方
株が大きく育ったら(苗植え付け後:1~2年後),葉が枯れる10~12月頃に掘り出しして,株分けで増やせます。何年も同じ場所に植えていると株が弱ってくるようなので,適宜株分けで株をリフレッシュする必要があるようです。
成長記録
植えた場所
植えた場所は,現在開拓中の裏庭の一角にある日陰スペースです。 家の北側なので,日当たりは悪いですが,湿った環境が好きなアスチルベには高環境です。
次の記事では,アスチルベを含めた11種類の宿根草の裏庭への植え付け時の様子を紹介しました。
こちらの記事では,乾燥しやすい西側花壇に植えた別のアスチルベ(アスチルベ サンダー&ライトニング)も紹介したのですが,環境が合わずに枯れてしまいまいた。やはりアスチルベは日陰かつ多湿を好むようです。
以下では,裏庭に植えた「アスチルベ・ショースター(白,ピンク,赤)」と,「アスチルベ・シスターテレサ(薄ピンク)」の4株について紹介します。春以降に植えたのもあるので,登場は順不同です。
2020年7月
最初に植え付けたのが「アスチルベ・ショースター」のピンクです。7月下旬に花終わった苗を購入しました。真夏直前と植える時期が悪いですが,日陰に強い「アスチルベ」の強健さに期待して植え付けました。
2020年9月
真夏直前に植えつけたので心配でしたが,問題なく夏越できました。が,少し葉が減っているようです。
2020年11月
11月になりだいぶ気温が下がってきました。アスチルベはもう地上部が枯れています。この時期でも葉を残す宿根草も多いですが,アスチルベは休眠期間が長いようです。
2021年2月
10月頃に裏庭の別の場所に,薄いピンクの花を咲かせる「アスチルベ・シスターテレサ」という品種を植付けたのですが,こちらも完全に地上部が枯れています。
2021年3月(新芽)
地上部が枯れている期間が長い割に,新芽がでるのも早くないので,本当に根まで枯れてしまったのでは?と心配になっていましたが,3月中旬にようやく新芽がでてきました。
新芽は茶色で,緑の成葉と見た目がかなり違う上に,あまり目立たないの注意しましょう。
3月下旬には,茶色から緑に葉色が変わってきました。
2021年4月
4月も中旬になり,だいぶ葉も生えそろってきました。そして茶色い先端の花茎が伸びてきています。
最初に植えた「アスチルベ・ショースター」も,少しタイミングが遅れて葉が生えそろいました。
2021年5月(開花)
開花シーズンになってきました。昨秋に植えた「アスチルベ・シスターテレサ」は花穂がたくさん出てきています。株幅は30cm強はあります。3月中旬に新芽が出たばかりなのに,かなり展開が早い植物です。
「アスチルベ・ショースター」も,少しタイミングが遅れて花穂ができてきました。こちらも株が充実してきて,株幅は30cm強あります。
5月上旬のこの時期に,まだ咲いてないですが,日陰でも育つ「アスチルベ」のポテンシャルが気に入って,近くにプラス2株も植えてしまいました。
いずれも「ショースター」で,赤と白です。一番左に植わっている赤色のカラーリーフは,PW(Proven Winner)のドルチェというブランドの『ヒューケラ』です。
そして5月中~下旬になり,ついに開花してきました!
こうやって見ると中型の「シスターテレサ」の背が高いですね。
春に植えたショースター(赤)も同時期に見事に開花してきました。 金平糖のような赤い小さな花がたくさん集まって存在感があります。
その中でも一番気に入ったのが次の「アスチルベ・シスターテレサ」(薄ピンク)です。まだ満開の一歩手前といったところですが,中型で草丈60cm程度と大きめで,小さな花が集まったできた円錐形のフンワリとした雰囲気と薄ピンクの花色がとてもマッチしていると思いました。
ショースター(白)も開花です。少し小ぶりですが,花穂が高密度の集まっているので存在感があります。
2021年6月(切り戻し)
6月になり,一番最初に植えたショースター(ピンク)もようやく開花してきました。
シスターテレサとは同じピンクですが,花形といい,ピンクの色合いもだいぶ異なります。小型なので,かわいらしいピンク花です。
一方,6月も中旬になり,先に開花してきたアスチルベたちは花が終わってきています。
このタイミングでバッサリと切り戻しすることにしました。こうやってみると切り戻した花茎も何か風情があります。。
こちらは,これまで余り出てこなかった春に新たに植えた「アスチルベ・ショースター」の白です。切り戻し後ですが,新しい花茎が展開してきています。
お気に入りの「アスチルベ・シスターテレサ」も,だいぶボリュームは減りましたが,新しく伸びてきた花穂がキレイに咲いています。あと数週間は花を楽しめそうです。
今回の「アスチルベ」の成長記録は以上です。花期は1ヶ月くらいですが,その独特の雰囲気と花色で日陰を明るくしてくれました。翌年の秋は株分けして,他の場所にも植えていきたいと思います。
まとめ
今回は日陰で育つ宿根草『アスチルベ』を紹介しました。日陰で育つ宿根草はいろいろありますが,アスチルベのように,そのフワフワした花姿と花色で日陰を爽やかに明るくする植物はあまりないと思います。その上,植えっぱなしで管理不要と初心者でもとても育てやすい宿根草です。日陰スペースがある場合は,是非とも使ってみたい植物です。