今回は非常にたくさん種類がある(2000種以上とも言われる)トウダイグサ科ユーフォルビア属の品種「ダイアモンドスター」の育成記録を紹介します。「ユーフォルビア ダイアモンドスター」は,初夏から秋にかけて園芸店で良く見かける定番の植物です。枝葉がこんもりと育ち,小さな白花に見える細かい白色の苞*(ほう; 英語: bract)が株一面に咲くのが特徴です。類似の種類には「ダイヤモンドフロスト」「ダイアモンドスノー」があります(違いは後で紹介)。
今回の記事では,我が家で地植えした「ユーフォルビア・ダイアモンドスター」の1年間の成長の様子を紹介みました。ユーフォルビア・ダイアモンド系(フロスト,スノー)の育成の参考にもなるのではないかと思います。
* 苞:蕾(つぼみ)を包むように変形した,花序のすぐ下の葉
基本情報
種類 |
草花 ー 1年草 |
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英名 | Euphorbia diamondstar |
花色 |
白色(実際は花ではなく『苞』) |
開花 | 5~11月 |
最大草丈/横張 |
ダイヤモンドフロスト:35-45cm ダイヤモンドスター: 30cm,ダイヤモンドスノー:35-45cm |
耐暑性/耐寒性 | 普通/弱 |
ユーフォルビア ダイアモンド系の種類
冒頭にも書きましたが,もう一度紛らわしいユーフォルビア属のダイアモンド系の品種を整理してみたいと思います。
- ①ダイアモンド・フロスト
一般品種で,40cmくらいに大きくなります。3品種の中で最も手に入りやすく,手頃な値段で購入できます。
- ②ダイアモンド・スター
ダイヤモンド・フロストを改良し,白色の苞の密度を高めた品種です。サイズはあまり大きくならず,30cm程度に留まります。今回の記事で扱う品種です。
- ③ダイアモンド・スノー
ダイヤモンド・フロストを改良し,白色の苞の密度をより高く,生育旺盛にした品種です。生育も旺盛で,フロストのように40cm程度に大きくなります。
一方,全く花姿の異なる「カラキアス系」のユーフォルビアの成長記録はこちらで紹介しています。
育てる場所
夏を中心に初夏から秋にかけて咲きますが,真夏の直射日光には強くなく,長時間当たると元気が無くなります。また,耐寒性も低く,戸外の冬越は難しいようです。
我が家は神奈川南部の暖地で,1日中日が当たる南向きの花壇に植えましたが,真冬に枯れました。
育て方(水遣り・剪定)
地植えの場合は水遣り不要です。水遣りも極端に乾燥したときだけやれば十分です。
成長記録
2020年6月中旬
園芸店で「ユーフォルビア ダイアモンドスター」を1株購入しました。
当初は,日当たりが好き,かつ耐暑性も高いイメージを持っていたので,日当たりの良い南向きの花壇に地植えしました。
アップするとこんな感じです。白い花が咲いているように見えますが,これは花ではなく,苞(ほう; 英語: bract)と呼ばれるものです。苞とは,変形した花序のすぐ下の「葉」です。
やはり「ダイアモンドフロスト」と比べると,高密度に咲いているように見えます。
2020年8月
8月になり真夏日と成ってきました。こちらが花壇全体の様子です。
大きさは植えたときと同じで20cmくらいです。やはり,ダイアモンドスターはあまり大きくならないようです。
この後,8月中旬くらいから「ダイアモンドスター」に異変が起きます。
今年の余りの暑さに葉が萎れてきました。暑さに強いイメージだったのですが,この年(2020年)は例外的に暑かったこともあり,ダメージを受けてしまったようです。
2020年10月中旬
暑過ぎた夏が終わりしばらく経って秋になりました。真夏に縮れた枝葉は落ちて,新しい葉っぱがでてきました。ただ,真夏のダメージが残っているためか,花付きもどうもイマイチです。
2020年12月中旬
冬になり,気温が下がってきました。気温は日中10度強とそこまで寒くはなく,花はまだ残っていますが,葉が急激に枯れてきました。。
2021年1月中旬
真冬の時期になり,いよいよ結構ボロボロになってきてしまいました。
ただ,根は生きていると信じて,見た目は悪いですが「春になってから植え替えれば良し」として,そのままにして置きます。
2021年3月
3月も下旬になり気温も上がってきましたが,一向に新芽がでる気配がありません。
5cmくらいの枝だけのような状態になってしまっていて,触るとグラグラします。
そろそろ別の植物も植えたいといういうことで,仕方なく撤去することにしました。
やはり1年草,地植えでの冬越しは難しいようです。
こちらが掘り上げた後の様子です。見てみると,根は意外にしっかりしていて,「もしかしたら復活するかも」という思いが僅かにまた出てきてしまいました。
という訳で,念のため5号ポットに植え替えて様子を見てみることにしました。
これまでいろいろ見てきて,戸外で冬越したという事例を見たことがないので厳しいとは思いますが,ここから奇跡の復活を期待したいですね。
以上で,「ユーフォルビア・ダイヤモンドスター」の1年間の成長記録は終わりです。
次が実際に育ててみた「ユーフォルビア・ダイヤモンドスター」の育成ポイントです。
・基本鉢植えで育てた方がいい(夏は避暑,冬は屋内へ)
・庭植えは,冬に掘り起こして鉢植えにして屋内へ,植え替えない場合は1年草として諦める
まとめ
今回は,春から秋にかけて長く花が咲く,ホワイトガーデンの定番『ユーフォルビア ダイアモンドスター』の1年間の成長を,他の品種「フロスト」「スノー」との違いと合わせて紹介しました。
実際育ててみて,耐暑性は意外と低く,耐寒性は予想通りの低さで,やはり1年で枯れてしまいました。一方で鉢植えの場合は,適切な時期に屋内に取り込めば冬越も可能とのことです。
冬越しは難しいですが,株いっぱい白く咲く姿は一見の価値ありなので,一度育ててみてはいかがでしょうか。
★★★★