今回は小型の球根植物の代表格『ムスカリ』の成長記録です。ムスカリは,西アジアやヨーロッパ地中海原産の多年草で,春に綺麗な青い房状の花を咲かせます。いくつも並べて育てて群生させると青いカーペットのようで見応えがあります。また,繊細そうな見た目と違ってとても強健で耐陰性もあり育てやすいのも特徴です。
我が家では,そんなムスカリを,家の北向きの裏庭の日陰エリアで地植えしてみました。地植えしてから2年間ほぼ放置管理ですが,毎年花を咲かせてくれています。
基本情報
種類 |
草花 ー 多年草 ー 球根植物* *球根植物は多年草の一分類です。 |
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学名 | Muscari |
花色 | 青紫,紫,白 など |
開花時期 | 3-4月 |
最大草丈 | 20cm |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
日当たり
日当たりを好みます。また日当たりに関わらず,夏場に地上部は枯れるものの暑さに自体には強いです。また,日陰でも十分に育ちます。
水やり(苗・球根)
地植えの場合は降雨のみで水やり不要です。鉢植えの場合は表面の土が乾いたら水やりします。球根は,ネットなどに入れて冷暗所の風通しの良い場所で保管します。
苗と球根,どちらで植える?
球根を買って植えた方がコスパは良いです。球根植物の良いところとして,種から発芽させるより育成の手間が少ないことです。球根を植える際は11-12月がおすすめです。
お手軽に育てたい場合は,苗植えもおすすめです。苗を植える場合は,秋以降のどこでも植え付けることができます(今回の成長記録は苗植えです)。
伸び過ぎて困る『葉』の対策
ムスカリを何年か育てていると,葉がだらしなく伸びて本来のコンパクトな見た目でなくなってしまう場合あります。
ムスカリは,多年草ですが夏には地上部が無くなり葉の成長は涼しくなる秋以降となります。育成1年目は,11-12月に植えることでコンパクトな草姿となりますが,育成2年目以降は涼しくなり始めの9月下旬くらいから葉が出始めます。すると,花が咲く3-4月にはすっかりと葉が伸びきった姿となってしまう場合があります。
こうならないための1つ目の対策は,花が咲く前の1-2月にある程度葉が伸びたら伸びすぎた部分だけ剪定することです。花が咲く前であれば,特に球根の成長には影響ありません。
2つ目の対策は,葉が黄色く枯れ始める7月頃に球根を掘り上げてしまうことです。として,11-12月に植えることで常に球根植え1年目同等の育成状態とすることができ,葉の育成を適度に保つことができます。
成長記録
2022年2月
開花前のムスカリの3号ポットを2つ購入し,家の北側の裏庭に地植えしました。朝と夕方の短い時間だけ日が当たる日陰の場所です。
ムスカリは耐寒性が高く,日陰でも生育します。今後の毎春の開花に期待です!
2022年4月
4月になり早速,一度目の開花です。背後に見える薄紫色の「クリスマスローズ」との色のバランスが良くて素敵なコラボです。こちらの「クリスマスローズ」も2018年12月に小さな苗から育てたものです。
4月中旬になっても開花は継続しています。
ムスカリの左後ろにある『ヒューケラ』によく似た白花の植物は『ティアレラ』という日陰に強い宿根草です。
4月下旬になり,少し花が落ちてきました。結局,5月上旬くらいまで開花しました。
ちなみに,ご覧のように2月からの育成にも関わらず,植え付け時からかなり葉が伸びていることが分かります。2年目の秋の成長もあるので,「ムスカリ」で問題になるボーボーの草姿になりがちです。次年度はこの辺にも注目して成長を見ていきます。
2023年3月
時が流れて約1年後の3月中旬と開花直前の時期になりました。もう蕾ができはじめています。
ここまでの経過ですが,真夏にはやはり昨年の古い葉は枯れて地上部がなくなりましたが,涼しくなってきた10月くらいから葉が伸びはじめて今に至ります。
3月下旬になり,2度目の開花期がはじまりました。育成初年の昨年より10日ほど早いですね。
ムスカリのアップです。一年通じて日陰エリアで育てましたが問題なく美しく開花しています。ムスカリはやはり耐陰性も高いです。
2023年4月
4月中旬になりました。
この年は開花は3月下旬からと早めだったためか,だいぶ花が終わってきています。開花期間は安定して1ヶ月程度のようです。
この時期の葉の伸びを見ると,かなりボーボーですね。。来年度以降は対処して以降と思います。
2024年3月
3年目の開花直前になりました。背後に見える薄紫色の「クリスマスローズ」は益々立派に成長しています。
一方ムスカリの方は3月のこの時期に既に葉がだらしなく(雨で濡れている影響もありますが・・・)伸びてしまっています。
2024年4月
開花期になりました。この時は開花期の写真はこの1枚ですが,3度目の開花を無事迎えあることができました。
それにしても,葉の暴れてきているので,次年度は対策することにします。
2025年2月
地植えしてから3年が経過し,これから4度目の開花期を迎えます。株を確認してみると,2月に関わらずこのボーボーの葉の生え具合です。。
こちらは植え付け直後ですが,全然違いますね。
という訳で今回は思い切って剪定ハサミで葉をバッサリ切ってみることにしました!
少し勇気が要りますが,これは実績にある方法なので安心して必要な長さまで切ってしまいましょう。花後~夏に地上部が枯れるまで,葉は光合成して球根に栄養を送り込む役割があるので,開花前の剪定は問題ありません。
2025年4月
こちらは2か月後の4月上旬の様子です。いかがでしょうか?開花直後ということもありやや花数は少ないですが,しっかりと開花しています。何より,剪定後のやや不自然だった草姿も2か月間で葉が成長して良い感じに整っています!
乱れた草姿のばっさり剪定の効果も確認できたということで,今回の成長記録は以上です。
今回は苗植え×2での育成でしたが,球根植えもコスパが良くおすすめです。
今ではこんなおしゃれな品種(こちらは苗)もあります。
まとめ
今回は小型の球根植物『ムスカリ』の3年間の成長記録を紹介しました。実際育ててみてとても強健で育てやすく,植えてから3年間毎年,花を楽しむことができました(多年草でも3年以内に枯れるものは結構ある)。1つ1つの花は地味ですが,強健なので(また比較的安価なので),群生させて育てるとなお良かったと思いました。特に,洋風のナチュラルな庭に合う植物だと思いますので,広いスペースをお持ちの方にはお勧めです。
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