今回は家庭菜園の定番の『イチゴ』の成長記録です。これまで『トマト』『レタス』『トウモロコシ』と定番の野菜を育ててきましたが,今回ははじめての果物の育成ということで,『イチゴ』の苗の植え付けから収穫,株分けまでしてみました。
イチゴの栽培は敷居が高いイメージもあったのですが,実際育ててみるといくつかのポイントに注意すれば,とても丈夫で育てやすく(これまでの家庭菜園で一番楽?),そして何より,甘くて美味しいイチゴの実をたくさん収穫できました。果実の収穫の他,株分けもしたりと,ひと通りの育成がうまくできたので,その過程を紹介してみたいと思います。
基本情報
科/種類 | バラ科/常緑多年草 |
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学名 | Fragaria × ananassa |
花色 | 白 |
開花時期 | ①3-4月,②10-11月(一季なり:①,四季なり:①②) |
最大草丈/横張り | 40cm/40cm |
耐暑性/耐寒性 | 普通/強 |
イチゴの種類
・一季なり
1年に1度、旬の時期(5~6月ごろ)に収穫することができるイチゴです。
・四季なり
真冬の寒い時期以外は周年で花が咲き,季節を問わず実を収穫することができるイチゴです。収穫が一年中できるのが嬉しい反面,株疲れしやすいため,こまめな追肥も必要です。(加えて,「大味」になりやすいと言われますが,今回育てた限りそのようなこことはありませんでした。詳しくは,記事後半で。)
今回は,四季なりのイチゴの『よつぼし』を育てました。
日当たり
春秋の開花時は,なるべく日に当てると良いです。また真夏の高温多湿時の直射日光には弱いので,半日陰に移動させるのがおすすめです。
この意味では地植えより,場所を移動できるプランターや鉢植えがおすすめです。
イチゴを育てるプランターのサイズ
イチゴを植え付ける際に迷うのが,どれくらいのサイズのプランターや鉢が必要なのかということです。これまで育ててきた,「トマト」や「レタス」,「トウモロコシ」程には大きくならないので,6~8号サイズがあれば十分なようです。
土づくり
市販の培養土で育成できます。
ちなみに今回のイチゴの育成では,家庭菜園用に使ってきた古土の8割程度を再利用し(根はなるべく捨てます),市販の培養土を足して使いましたが,全く問題なく育成できました。ただし,古土をそのまま使うと文字通り連作障害になりますので,粒状タイプの土壌改良剤を使いました。
使い方は簡単です。古土に土壌改良剤を適量混ぜ込み,その後1週間放置するだけで
す。
水やり・肥料
表面の土が乾いたらやる程度で十分です。水やりの頻度を抑えるためには大きめのプランターにした方が良いでしょう。また,夏場は乾きやすいし,育成にも問題ないので日陰においておくのが無難です。
イチゴの増やし方
開花後に伸びるランナー(ほふく茎)を使って簡単に増やすことができます。成長記録のところで詳しく書きますが,ランナーの先端を土に置いておけば,簡単に根付きます。また一般的に,子株は使わず,子株から伸びる「孫株」,孫から伸びる「ひ孫株」を育成することがおすすめされています。
一株で何本もランナーを伸ばすので,その数(×孫,ひ孫の数)分だけ株分けが可能です。
病害虫
基本的には病害虫にはとても強いですが,アブラムシ,ハダニ,ナメクジ等が発生する場合があるようです。実際育ててみて,放置管理にも関わらず,アブラムシなど病害虫は一度も確認されませんでした。ベニカスプレーを秋,春に1度ずつやってくらいで,結果が良かったのでおすすめです。
成長記録
2021年5月(苗の購入)
園芸店で,売れ残りのイチゴ「よつぼし」の苗を格安で購入しました。
直ぐ植付けしたかったのですが,空いているプランターがなく,しばらく放置していました(結局9月まで)。
鉢も小さいので水涸れしないように,日陰に移動しました。
ちなみに既に開花してますがこの後,実がなることはありませんでした。はじめから少しイレギュラーな育成となってますが,今後が楽しみです。。
2021年9月(プランターに植え付け)
9月になり,ようやく前に育てていた「レタス」次は「トウモロコシ」の育成が終わったので,同じ10号プランターにイチゴの苗を植え付けました。
購入時の小さなプラ鉢で日陰で管理していたのもあってか,株のサイズはあまり変わっていません。
2021年10月(1回目の開花)
植え替えから1か月後の10月,新しい土に慣れて成長し,新しい葉っぱもいくつか生え始めています。
また10月下旬には1回目の開花が見られました。開花株を購入しましたが,改めて花を咲かせてみると,実だけじゃなくてイチゴは花もキレイだなぁ,と思ってしまいます。
2021年11月(ランナーが伸びる)
花のピークが過ぎた頃,ランナーが伸び始めてきました。
ランバーはかなりのスピードで成長します。数日で軽く10cmくらいは伸びます。
かなり伸びてきて,先端にも子株ができてきたので,先端を土を入れた鉢に置きました。まだ根がない or 根が短いので,根になる部分だけ少しだけ土に埋めるのがポイントです。
ちなみに一般的には,子株は親株から直接的に病気を引き継いでいる可能性があるのでその後の育成には適さないと言われています。
通常,子株からさらに伸びる「孫株」,さらに孫から伸びる「ひ孫株」を育成することがおすすめされているので,リスクを取りたくない方は少し面倒ですがそちらの方法をおすすめします。今回は実験的に,子株を育成してみました。
10日後くらいたつと,すっかり根付いてきました。
2021年12月
12月になり,大きなイチゴの実がなりました!ただし,11月の開花がわずかだったので,目立った大きさで実が生ったのは1粒でした。。
この後数日したら立派に熟して成長してきたので,たったの一粒ですが収穫して食べてみたらとても甘くて美味しかったです!
(イチゴのお味については,この次の年の5月の収穫期に詳しく書きます)
この後も後続の実がいくつか生ったのですが,時期的な問題もあったのか,大きくなることなく小さなまま腐ってしまいました。
ランナーで増やした株もすっかり根付いたので,この後ランナーを切りました。
2022年1月
この年は年明けから大雪が降り,イチゴが雪の下敷きに。。
次の写真は,だいぶ雪が解けてきた後です。
株が潰れてしまっていて寒さも心配でしたが,その後に元気がなくなるとかは全くなかったです。最初の基本情報のところにもありますように,イチゴの耐寒性はかなり高いようです。
2022年3月(春の開花)
冬が明けて春になりました。次の写真は3月上旬ですが,この後,一気に成長していきます!
こちらの子株も問題なく冬越できました。
3月中旬頃,2回目の開花が見られました。また新しい葉も勢いよく生えてきています。
3月下旬になると,さらに開花の勢いが増していきます。花から実ができるので,収穫が期待できそうです!
株のサイズ(横張り)も10号プランタと同サイズくらいになっています。
2022年4~5月(イチゴの収穫!)
開花も落ち着いてきて,実が育つ時期になってきました。
子株も横幅15cmくらいとだいぶ大きくなってきています。
また親株に戻って株元を見てみると,まだ熟す前の黄緑色のイチゴの実がたくさんできています!
一部のイチゴの実が赤く熟し始めた4月の中旬,ランナーが伸びてきました。今回はものすごい数,写真で見えるだけで1、2、3,・・・7本くらいあります。
子株を残すのに使わないランナーは,親株の栄養を吸い取って弱らせてしまうので,不要なランナーはカットします。
4月下旬になると,だいぶ熟してきて,すぐにでも食べられそうな実も育ってきました。
という訳で早速1回目の収穫です。
断面も瑞々しくて美味しそうです!
穫れたてのイチゴに練乳をかけて朝食のパンとかと一緒に盛り付けて貰いました。
食べてみると,とても瑞々しくて,固くもなく柔らかすぎでもない,適度な食感です。また,酸味はかなり控えめで,加糖なしでも十分な甘味が広がってとても美味しいです!
次は5月上旬の3回目の収穫の様子です。
結局,4回ほどまとめて収穫できて,合計25粒くらいのイチゴの実を収穫することができました。
最後に5月下旬に入る頃の親株と子株の様子です。
親株はもう横幅50cmくらいに巨大化しています。。
今回とても美味しいイチゴがたくさんとれたので,もう1つランナーから2つめの子株を増やしてみました。
最初の子株(2021年11月に株分け)の様子です。
いつの間にか開花して,花弁が落ちて,実をつけ始めています。株のサイズも20cm以上に成長しています。孫からではなく子から育てましたが,成長状態は全く問題ないようです。
今後,子株×2の成長についても観察していきたいと思います。
まとめ
今回は,『イチゴ(苺) よつぼし』の成長について記事にしました。実際育ててみて,苗の植え付けから実の収穫まで,ローメンテでとても簡単に育成できることが分かりました。また,株分けもランナーを使って簡単にできるので,1株購入すれば簡単に欲しいだけ増やしていくことができます。その上,花もキレイで,もちろんイチゴの実は甘くて美味しくて,収穫の喜びも大きいです。初心者向けで家庭菜園でイチオシの商物だと思います。
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