今回は4月から育ててきた家庭菜園の定番の『トマト』についてです。トマト栽培では、脇目は摘む,一番花や実は摘んだ方がいいとか,結構いろいろ育て方の鉄則がありますが,初心者が全部を漏れなくやるのは意外と大変で,初心者が家庭菜園の敷居が高いと感じてしまう原因の1つかなと思います。裏を返すと,本当は楽して育てたいのに,初心者にはどこまで手を抜いていいか分からない,ということもあると思います。
そこで手抜きの閾値を探るべく,トマト栽培歴は2年ではありますが,今年もトマトを超手抜きで栽培してみました。トマトの種類は,子供が保育園で貰ってきた『カゴメトマトの苗(凛々子)』です。今回は,2苗貰ってきたのにプランターが1つしかなかったので,10号のプランターに2苗植え付けて育ててみました。植え付けからして手抜きですが,育て方は,気づいたときにわき目を摘んだくらいです。果たして,無事トマトを収穫して,おいしくいただくことができました。今回の記事では,苗の植え付けから収穫までの成長と,収穫したトマトを使って奥さんに料理してもらったトマトスープの試食までご紹介したいと思います。
『カゴメトマトの苗(凛々子)』とは?
今回育てたのはトマトジュースでも有名なカゴメが家庭菜園用に販売している苗です。『カゴメトマトの苗』は,色や味の違いによって様々な種類があります。その中で今回栽培したのは,『手間のいらないトマト 凛々子(りりこ)』というトマトです。下記カゴメのページを引用しますが,もともとは畑栽培専用の中玉トマトで,よくあるミニトマトではないようです。また,栽培難易度が高めとあり,中~上級者向けとなっています。
一方,主茎の花房が3~4段で止まる芯止まり品種ということで,支柱への誘因の手間が殆ど無く育てやすい,という特徴もあるようです。
- 地植え専用、支柱・芽かき・芯止めの手間いらずの中玉トマト。
- 主茎の花房が3~4段で止まる、芯止まり品種。
- トマトらしい香味・酸味があり、果皮は厚め。加熱調理におすすめ。
- ミニトマトに比べると栽培難易度は少し高めであり、中~上級者向け。
- 出典:カゴメページ
トマト栽培に必要なもの
栽培は手抜きですが,道具は必要なものを揃えました。もちろんトマトの苗は必須として,それ以外のアイテムをご紹介します。
トマト専用用土
昨年,こちらのトマト専用土を購入し,ミニトマトの栽培に使いました。今年はなんと,昨年使った土をほぼそのまま再利用し,この後紹介する土壌改良剤まぜて使いました。今回,これで立派に育ったということは,この土が良かったのか,土壌改良剤をよかったのか,両方なのかのいずれかでしょう。管理は手抜きですので(笑)
プランター
昨年『楽々菜園』というプランターを購入しました。今回もこちらを使用します。水をため込んでくれるし,多すぎる水は排水してくれる,また支柱を立てる穴がある,と家庭菜園に適したプランターだと思います。ズボラな管理でも,これまで,水切れも,過湿も起こしたことはありません。
土壌改良剤
土の処分が面倒だったので古土を使うことは決めていたものの,そのまま使うと連作障害になるらしい,ということは知っていました。そのため,粒状タイプの土壌改良剤を購入しました。昨年ミニトマトを育てるのに使った古土を9割以上ベースして,この土壌改良剤を適量,土に投入して混ぜ合わせます。土壌改良剤は,腐葉土のような混ぜ込むタイプもありますが,こちらの粒状タイプは1回の使用量が片手に握れるくらいの少量で済むので,何年も使えると思います。とてもおすすめです。
昨年(2019年)の育成
昨年は『千果』という品種を育てていました。裂果しにくい,生育もおとなしいと育てやすい特徴があったらしいのですが,昨年実際育ててみると,梅雨の時期に裂果したり,7月時点で支柱より高く成長したり,といろいろ手間ではありました。 が,ミニトマトを育てるために必要な数ある知識の中で唯一知っていた「ワキ芽を摘み取る!」だけを頼りになんとか育成に成功しました。無事育ってくれ,おいしくいただくことができました。
今回は,このプランターの土を,土壌改良剤の追加だけでほぼそのまま再利用して育ててみました。
今年(2020年)トマトの成長記録
4月14日(0日目):植え付け
上に書きましたが,土壌改良から行いました。まず,昨年育てたミニトマトを撤去しました。次に,残った古いミニトマトの根っこをプランターの上の方の土の部分だけ取り除いた後,土壌改良剤を混ぜ込みました。減った分の土は,庭から適当に持ってきて足しました。
次に植え付けですが,土壌改良剤のパッケージにすぐには苗を植えないよう記載があったので,3日待ってから苗×2を植えました(土づくりは4月11日)。苗の大きさは10cmくらいです。
もともと畑植え専用の苗をプランターに植え付け,さらにプランター1つに2苗も植え付けて大丈夫だろうか?とかなり不安です。
5月2日(18日目)
植え付け2週間で早くも花が咲き始めました。高さは30cmくらい成長しています。成長が旺盛すぎて脇芽摘みが追い付いていませんが,遅ればせながらやってみました。
脇芽を摘んだ後です。だいぶすっきりしたと思います。苗が2つだと脇芽が成長するとすぐ過密になって蒸れてくるので,注意が必要そうです。
5月10日(26日目)
だいぶ花が増えてきたので,花をピンピンはじいて受粉を試みます。
5月22日(38日目)
1か月+1週間が経って,ようやく実がなってきました。
ちなみにこの時点までトマトの品種を調べておらず,ずっとミニトマトを育てていると勘違いしていました。「どうにも実がでかいなぁ」と思い,改めてネット検索して,ここまで育ててきたのがミニトマトでなく,トマトであることに気づきます(笑)育成難易度が,ノーマルトマト>ミニトマトくらいの知識しかなかったので,若干焦るも,どうしようもないので,そのまま育てることにしました。
6月5日(50日目)
日を追うごとに,実がどんどん大きくなります。
アップです。サイズがわかりにくいですが,4~5cmくらいはあり,ミニトマトより1まわり大きいです。ただ,株自体は小さく,高さ60cmくらいです。主茎の3~4段で止まる芯止まり品種ということで,あまり大きくならないようです。支柱への誘因の手間が殆ど無いというのは,育てやすいです。
6月21日(66日目)
サイズは徐々に大きくなりながら,しばらく色に変化がない期間が2週間ほど続きましたが,ついに真ん中にいるトマトの少し色づき始めたようです。
6月25日(70日目)
前の写真から4日しか経っていませんが,急速に熟しはじめています。ちなみに,ここまでの成長で不思議なのが,虫が一匹たりとも目撃したことが無いということです。トマトは元々つきにくい植物のようですが,全くでないというのは食用であるが故に嬉しいポイントです。
しばらく忘れていた,もう一つの苗も見てみます。これまであまり見てこなかった反対側から見た角度ですが,こちらも大きな実がなっていました。
7月1日(76日目):収穫
急速に熟してきました!それにしても梅雨本番で雨ざらしですが,昨年のミニトマトの栽培では発生した裂果が,今年は1つもありません。(裂果:急激な水分の吸い上げによって内部の成長に皮の成長が追い付かず割れてしまうこと)今回の品種は皮が厚く,割れにくいためでしょうか。
もう充分食べられそうということで,一番熟している2個を収穫してみました。
トマトの試食!:トマトとレタスと卵のスープ
断面ですが,皮が厚い品種らしいですが,良くわかりません。ゼリー状の部分は少ないようですので,この部分が嫌いな人には良い品種かもしれません。ミニトマトではないですし,もともと調理用のトマトらしいので,奥さんに料理して貰いました。
奥さんがトマトとレタスと卵のスープにしてくれました。いかがでしょうか?
レシピは聞いてないですが,トマトのほどよい酸味と甘みが効いてとってもおいしかったです!まだまだたくさん実が成っているので,今後もパスタとかいろいろ料理してもらうのが楽しみです!
まとめ
今回は,『カゴメトマトの苗(凛々子)』の苗植え付けから試食までを記事にしてみました。地植え専用トマトなのに,プランターで2苗同時育成と,無茶な育て方をして,管理も適当でしたが,無事おいしく育ってくれました。今のところ,梅雨後も裂果が1つもない,また虫が一匹とりともつかず,主茎が3~4段で止まる芯止まり品種ということ大きくならない,などとても育てやすい品種でした。初心者におすすめのトマトです。
★★★★