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四季咲きミモザ『アカシア デアネイ(ディーンズワトル)』の成長と開花!~鉢植え2年間の育成で驚異的な成長!

人気ミモザ・アカシア。その中で少し珍しい四季咲き性のアカシアの成長記録です。アカシアのオーストラリア原産の植物で,シダのような細かい葉と,開花期の小さくて丸いふわふわの黄色い花が特徴の常緑低木です。アカシアにはたくさん種類がありますが,今回はアカシアの四季咲き品種「アカシア デアネイ(ディーンズワトル)」を育ててみました。1季咲きのギンヨウアカシアのようなシルバーリーフではないですが,冬以外にいつもタイミングが合えば春夏秋冬のいつでも薄黄色の花が咲く貴重な品種です。今回は鉢植えして育てた2年間の成長記録を紹介します。

 

基本情報

種類 常緑低木
学名 Acacia deanei(別名:Deane's Wattle )
花色

薄い黄色

開花時期 3-5月
最大樹高 2m(つるは3m以上伸びる)
耐暑性/耐寒性 強/やや強

ギンヨウアカシアとの違い

葉の色と形の違い

ギンヨウアカシアはその名の通りシルバーリーフですが,四季咲きのデアネイの葉色は緑です。デアネイの方が少し葉の切れ込みが細かいです。ちなみに,シルバーリーフの四季咲きアカシアは存在しないようです(今後の品種改良ででてくるかもしれませんが。。)。

ギンヨウアカシア(左)とアカシア デアネイ(右)葉の違い

 またアカシア デアネイの葉の特徴として,日が当たらない時間,冬場の寒い時期になると葉が閉じる性質があります。オジギソウ(葉の形も似ていますが・・)は触ると閉じますが,こちらは触っても変化はなく,気温と日照によりゆっくり変化します。

これらの性質は,この後に紹介する成長記録で確認できます。これはギンヨウ アカシアでは見られない性質です。

花の違い

 花については,ギンヨウアカシアは鮮やかな黄色であるのに対して,デアネイはやや黄色が薄く,クリーム色です。また一季咲きのギンヨウアカシアは株一面に密に花をつけますが,四季咲きのデアネイはたくさん咲かせることがあるもののギンヨウと比較すると花つきはまばらです。一季咲きのギンヨウアカシアは春に開花エネルギーを一気に解放しているのに対し,四季咲きのデアネイは時々の開花ごとにエネルギーを分散しているイメージだと思います。1年間トータルで見ると,デアネイの方が良く咲きます

水やり・肥料

 オージープランツの特徴ですが,オーストラリア原産の植物が水枯れによるダメージが大きいので株が痛みます。地植えの場合は,根付くまでの期間水やりすれば以降は不要ですが,鉢植えの場合は注意しましょう。

育成場所・日当たり

 アカシア全般は,耐暑性・耐寒性ともに強いですが,四季咲き品種は,ギンヨウと比べて耐寒性が低いです。同じような場所で実際に両方を育てていて,冬の葉の痛み具合など,はっきりと差があります。そのため,光合成などの生育面だけでなく気温の観点でも,日当たりで育てることをお勧めします。

病害虫

 アカシア全般に,特にカイガラムシが付きやすいです。病害虫に強そうな見た目をしていますが(?),一度つくと強めの剪定なしに取り切ることは大変なので予防に努めましょう。(実際育成してみて,アカシア デアネイでも数匹発生,ギンヨウ アカシアは大発生して対処が大変でした。。)

風通しの良い場所で育てる他,定番のベニカXや,成長記録でも紹介しているカイガラムシ専用の薬剤を使うのも手です。

成長記録

2021年5月

 園芸店で3号ポットの開花苗を購入しました。大きさは,高さ20cm位です。根本の太さも3mmほどです。

アカシア・ディーンズワトルのポット苗(2021年5月上旬)

ちなみに,紙札に「ティーンズワトル」とありますが,英名は「Deane's Wattle」なので「ディーンズワトル」が正しいです。

 

翌朝,早速6号ポットに植え替えをしました。土は,赤玉土の中粒に腐葉土を2:1くらいで配合し,中粒のマグァンプを適量混ぜ込みました。

アカシア・ディーンズワトルの植え替え(2021年5月上旬)

ちなみに,この写真の時間帯は早朝なので,アカシアの葉は閉じ気味です。基本情報のところにも詳しく書きましたが,日が当たらない時間,冬場の寒い時期になると葉が閉じます。

2021年7月

成長期の初夏以降,早くも成長が進んでいます。高さは立水栓と同じ40cmくらいまで大きくなりました。

アカシア・ディーンズワトル(2021年7月上旬)

もう毎日見ていても変化を感じるほどで,7月中旬には,土面から60cmほどの高さの支柱も超えてきました。

アカシア・ディーンズワトル(2021年7月中旬)

新芽も次々伸びてきます。ポット苗から2か月の育成なので,かなり成長速度は速いようです。

アカシア・ディーンズワトル(2021年7月中旬)

2021年10月

暑い夏場を過ぎて10月の秋になり,さらに大きくなっています。順調過ぎるほどに成長しているのと,4季咲きアカシアということもあって,そろそろ開花するかと期待していたのですが,ここまで開花は見られていません。ポット苗からの育成だと1年目の開花は難しいようです。

アカシア・ディーンズワトル(2021年10月中旬)

ちなみに,夏の間に水涸れさせてしまい,何度か元気がなくなってしまったことがありました(鉢の下に枯れた葉が落ちています)。オージープランツの特徴で,水涸れするとダメージが大きいので,特に鉢植えの場合は水やりに気をつけましょう!

2022年2月

 真冬の季節になりました。寒さに当たって,葉が落ちて,残った葉も閉じてしまっています。南向きの日当たりのいい場所とは言え,北風が結構当たる場所というのもあるかもしれません。

アカシア・ディーンズワトル(2022年2月上旬)

2022年4月

 春になり,育成からほぼ1年が経過しました。冬に葉が落ちましたが,だいぶ新芽が出てきました。成長も進み,鉢の高さを除いても高さは1m弱位になりました(後ろの白い壁が1.5m)。1年前の高さ20cmから,脅威的な成長です。。

アカシア・ディーンズワトル(2022年4月中旬)

2022年6月

さらに暖かくなり,葉もたくさん生えて充実してきました。

アカシア・ディーンズワトル(2022年6月中旬)

近づいて見ると,たくさんの蕾が!

アカシア・ディーンズワトルの蕾(2022年6月中旬)

ポット苗から育成開始して1年強,ようやく憧れの黄色い花が観られそうです!

アカシア・ディーンズワトルの蕾(2022年6月中旬)

2022年7月

7月になりポツポツと開花が始まりました!

アカシア・ディーンズワトルの初開花(2022年7月下旬)

薄い黄色の5mmくらいの可愛らしい花がポンポン咲き始めています!色は一季咲きのギンヨウアカシアの濃い黄色を比べると薄く,優しい雰囲気です。

アカシア・ディーンズワトルの初開花(2022年7月下旬)

ポツポツと先に出来た蕾から開花していきます。かなりの数の蕾が見えるので,一度花期がやってくると1ヶ月以上,長期間花を楽しめます。

アカシア・ディーンズワトルの初開花(2022年7月下旬)

2022年10月

 長かった夏が過ぎて涼しくなってきた頃に,また開花のタイミングが来ました。株はもう1.5m近くまで大きくなっています。だいぶ前から支柱の長さが足りなくなってますが,そのままにしたので強風で倒れたりして枝が折れ曲がってきてしまっています。。アカシアはとても成長が早いので,支柱は適宜長いものに交換していった方が良さそうです。

アカシア・ディーンズワトル(2022年10月下旬)

株全体で花が咲き乱れる様子は撮れなかったですが,7月に続いて10月もクリーム色の可愛らしい花を咲かせてくれました。

アカシア・ディーンズワトルの2度目の開花(2021年10月下旬)

2022年12月

 秋も終わり冬になってきました。やはり昨年ほどではないですが,葉は少し落ちて,寒さで葉が閉じているので,全体的に葉のボリュームが少し減った印象です。

アカシア・ディーンズワトル(2022年12月中旬)

ちなみに,後ろに見える壁が1.5mですが,曲がってなければ余裕で超える高さに成長しています。また根本の幹も,育成開始時のひょろひょろの3mmから太さ約1.5cmに成長しています。

2023年2月

 冬になり寒いときは気温が氷点下近くまで下がる日もありました。アカシアは気温や天候によって葉が閉じるのですが,基本的には常緑です。

ちなみにこの時期,近くの「ギンヨウ アカシア」でカイガラムシが大発生し,デアネイでも数匹確認されたので,取り除いたうえで,卵など翌年の予防も兼ねてこちらの殺虫剤を噴霧しておきました。

アカシア・ディーンズワトル(2023年2月上旬)

 

2月の真冬で一年で一番寒い時期ですが,なんとポツポツと少しだけ開花しました。

アカシア・ディーンズワトル(2023年2月上旬)

 これで7月,10月に続いて1年間で3度目の開花です!

アカシア・ディーンズワトルの3度目の開花(2023年2月上旬)

 こうやってアップして見ると,改めて寒さで葉が完全に閉じていることが分かります。ちなみに,オジギソウのように触ると開いたりすることはありません(笑)

 

という訳で,今回の成長記録は以上です。

高さ20cmのポット苗から,一年半で約1.5mに成長し,2年目は四季咲き性を発揮して3度の開花を見せてくれました。たくさんの変化を見せてくれるとても魅力的な常緑低木です。

まとめ

 今回は,オーストラリア原産の人気の常緑低木『アカシア』に四季咲き品種『アカシア デアネイ(ディーンズワトル)』の成長記録の紹介でした。春のみの一季咲きのギンヨウ アカシアと比べて,開花時の花密度はまばらなものの,かわいらしい黄色い丸い花を1年に何度も楽しめるのは大きな魅力だと思います。