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青花グランドカバー『ベロニカ・オックスフォードブルー』の成長と開花~ベロニカの種類・枯れない育て方も紹介

 今回は,定番のグランドカバー『ベロニカ・オックスフォードブルー』の成長記録です。『ベロニカ・オックスフォードブルー』は,春に青色の花を株一面に咲かせる多年草です。また冬から春にかけてのシックな褐色葉は常緑で,冬になっても地面が見えて寂しくなることがありません。これまで実際に家の庭のいろんな場所で育ててきて,基本的には強健な性質で育てやすい一方で,育て方によっては1年で枯れてしまう場合もありました。今回は,枯らさない育て方にも焦点を当てて,成長記録を見ていきたいと思います。

 

基本情報

種類 草花 常緑多年草
学名 Veronica peduncularis "oxford blue"
花色 ブルー
開花時期 3-4月
最大草丈 10cm
耐暑性/耐寒性 普通/強

ベロニカの種類

『ベロニカ・オックスフォードブルー』の学名は「Veronica peduncularis」です。

 まず1つめの単語「ベロニカ(Veronica)」は,「オオバコ科」のひとつである「クワガタソウ属」の英語での名称です。つまり「ベロニカ(veronica)=オオバコ科クワガタソウ属です。(「クワガタソウ属」は,以前はオオバコ科(Plantaginaceae)でなく,ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)に分類されていたようです。)ちなみに「ベロニカ(Veronica)」は,カトリック教会の聖者である「Veronica」に由来した名前です。

 次に2つめの単語「peduncularis」は,植物学の用語で「花柄のある」という意味を持ちます。

園芸品種名の「oxford blue」は,オックスフォード大学のスクールカラーであるオックスフォードブルー(oxford blue)に似ていることに因んでつけられています。(園芸品種名の別名で「ジョージアブルー(Georgia blue)」と呼ばれることもあります。)

つまり『ベロニカ・オックスフォードブルー』は,「オオバコ科クワガタソウ属(ベロニカ)」の園芸品種名「オックスフォードブルー」であることを意味します。

他のベロニカ(オオバコ科クワガタソウ属)には,「ベロニカ ロンギフォリア(Veronica Longifolia)」などがあります。

以前育成した「ベロニカ・ロンギフォリア」の矮性種

オックスフォードブルーは強健?枯れやすい?

 『ベロニカ・オックスフォードブルー』は,「植えてはいけない?」といった思わせぶりな紹介も見かけるくらい,基本的には育てやすい植物です。一方で,言われている程強くはなく1年経たずに枯れてしまう場合もあります。

枯れパターン①:雑草に駆逐されたり蒸れて枯れる

雑草の多い場所に1株だけ植えると枯れやすい

 これまで育ててきて何度か枯れたパターンの1つがこれです。「ベロニカ・オックスフォードブルー」はよく「植えっぱなしでOK!」と管理不要かのように紹介される場合もありますが,実際は周囲の雑草の根張りに負けて駆逐され枯れることがあります。

 ですので,根張りで競り負ける前に,見つけしだい早めに雑草を撤去します。その際,「ベロニカ・オックスフォードブルー」の根が傷つけないように丁寧に雑草を根から抜くことです。またこの雑草撤去は蒸れ対策にもなります。

 また1株だけ植えると4方から雑草の攻められて根張りに負けやすいので,3株以上を例えば3角形など固めて植えることで周囲からの雑草の侵入を抑えることができます。ある程度まとめた方が見応えがありますし,ケチらずに複数苗植えてみましょう。

枯れパターン②:直射日光で枯れる

 春前に葉を茂らせて春の早い時期に開花する草花は暑さに弱いものが多いです。『ベロニカ・オックスフォードブルー』も同様で,強い夏の日差しで続くと枯れるか,かなり弱ってしまいます。

 一方,日の当たらない場所に植えると,開花する春に日照が不足することで花がキレイに咲いてくれなかったり,徒長したりします。ですので,コツは,最も日射角が高い春~初夏に日が当たり,日射角が下がってくる真夏には日陰になるような場所です。

直射日光に当たり遮光するもののない日照りに植えると枯れやすい

日当たり 

 日当たりを好みます。耐寒性はとても高く,耐暑性は真夏の暑さの蒸れには弱いので直射日光は避けたほうがいいです(上述の通り)。

水やり

 地植えの場合は根付いたら水やり不要で,降雨のみで大丈夫です。日照りが何日も続く日は,気温が低い朝晩に水やりします。

成長記録

2024年5月

 5月中旬に開花終わりの「オックスフォードブルー」の苗×3を購入しました。この頃の葉は春以降に生える新葉が中心のため,明るい緑色です。

ベロニカ・オックスフォードブルーの植え付け:3号ポット×3個(2024年5月上旬)

 家の西側の南北に延びる長い花壇の中央にあるガーデンアーチの付近に地植えしました。ガーデンアーチが直射日光を,裏手にあるフェンスが西日を防いでくれるので,11~16時くらいまで日が当たるような場所です。

ちなみに,アーチに巻き付いている素敵な花は『クレマチス・ベルオブウォーキング』です。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2024年5月上旬)

 オックスフォードブルーはこれまで我が家の庭の様々な場所で育ててきましたが,今回の植えた場所近辺で育てたときは,上に書いた枯れパターン(群れ,雑草起因で何度か枯らしてしまいました。

 今回はしっかり3株まとめて植えて雑草対策し管理にもある程度気をつけて,翌年の開花期までまずは夏越し,冬越しを目指して育てます。

 

↓ この白ガーデンアーチについてはこちらで記事にしています。

www.papa-niwa.com

2024年8月

 8月下旬の真夏の時期です。この時期の雑草の処理がとても重要です。周囲から雑草(ヒメシバ)が迫ってきていますが,「オックスフォードブルー」の周りだけは気がついたときに雑草を根からしっかり抜いてきたので,「オックスフォードブルー」のスペースには雑草はあまり入り込んでいません(周囲は凄いですが。。)。雑草の勢いが収まるまであと少しです。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2024年8月下旬)

2024年10月

 10月になり,だいぶ気温・湿度,雑草の勢力も落ちついてきました。なんとか夏越しには成功できたようです。ひとまず安心ですが,この後も雑草へのケアは引き続き必要です。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2024年10月中旬)

2024年12月

 12月になりました。まだ株の上あたりから雑草(カタバミ)が生えてきているので,春の開花に備えて撤去します。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2024年12月下旬)

2025年2月

 2月になり寒さに当たり葉が褐色に紅葉してきました。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年2月上旬)

 褐色で土との境界が見づらくなるので分かりにくいですが,新しい葉も展開して10月の頃と比べるとだいぶボリュームも増しています。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年2月上旬)

2025年3月

 3月の開花期になりました。ここまでくれば安心で,あとは開花を待ちます。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年3月上旬)

 3月中旬になり,1輪だけ開花しました。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年3月中旬)

3月下旬になり,ほぼ満開に開花しました!

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年3月下旬)

2025年4月

 4月上旬になりましたが,まだ開花は続きます。このタイミングで「オックスフォードブルー」の苗を4つほど買い足して周囲に植えることにしました。植えた場所は,もともとのエリアの上側と右側です。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年4月上旬)

上側に1株。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年4月上旬)

 右側に3株横に並べて植えました(ちょっと見ずらいですが)。新葉が生え掛けの黄金葉の植物は「黄金シモツケ」という低木です。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年4月上旬)

 4月中旬でもしばらく満開が続きます。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年4月中旬)

 4月下旬になりだいぶ開花が収まってきました。花期は1ヶ月弱といったところです。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年4月下旬)

2025年5月

 5月になり,新しい緑の葉もたくさん生えてきて株のボリュームも増してきました。上側に植えた新しい苗もすっかり根付いて株が大きくなっています。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年5月上旬)

 右側の植えた新しい苗×3は,蒸れが心配なので「黄金シモツケ」を少し剪定しました。この「黄金シモツケ」も切るのが勿体ないくらい,黄金葉が美しいです(写真では分かりにくいですが)。

ベロニカ・オックスフォードブルー(2025年5月上旬)

今回の育成開始からちょうど1年が経ちました。

昨年植えた最初の3株が無事開花し,新しく植え付けた4株でボリュームが倍になり,来年はさらに豪華な開花を見せてくれると思います!

という訳で今回の成長記録は以上です。

まとめ

 今回は,貴重な青花のグランドカバーの定番『ベロニカ・オックスフォードブルー』の成長記録を記事にしました。春先に株一面に咲くブルーの花は言うまでもなく美しく,常緑の葉は冬には紅葉もして変化も楽しめせてくれるたりと,高評価請け合いの優秀な植物です。性質も基本的には強健で育てやすいのですが,いくつかのポイントを外すと枯れることもあるので,典型的な枯れパターンと対策についてもまとめてみました。余り書かれていないことが多いので『ベロニカ・オックスフォードブルー』育成の参考になると思います。

実際育てたオススメ度

★★★★★