今回は人気の草花「キンギョソウ(金魚草)」の成長記録です。地中海沿岸原産のゴマノハグサ科の多年草(日本では一年草扱いが多い)で,花の形が金魚が泳いでいるように見えることから「キンギョソウ」の名で呼ばれるようです。花色も白・黄・赤・ピンク・オレンジなど豊富で,品種によっては葉や茎がブロンズ色を帯びたシックなタイプ(ブロンズドラゴン)もあります。草丈も10cmほどの矮性種から1mを超える高性種まであり,花壇の前景から後景まで幅広く使われ,春から初夏にかけて周年で花が咲き開花期が長いです。花後は,ドクロあるいは骸骨(ガイコツ)のような見た目の種苞(しゅほう)をつけることから,欧米では「スカルフラワー(Skull Flower)」とも呼ばれるらしいです。
我が家では「キンギョソウ(金魚草)」をポット苗から地植えして育ててみました。実際育ててみて,株の成長から開花,そして花後のユニークな形の「種苞」まで,育成を楽しむことができました。今回はユニークな特徴を持つ「キンギョソウ」の基本情報のおさらいの後,詳しい育成記録を紹介します。
基本情報
| 種類 | 草花 多年草(日本では冬越しできず一年草扱い) |
|---|---|
| 学名 | Antirrhinum majus |
| 花色 |
赤,ピンク,黄,白など多色 |
| 開花時期 | 周年開花(4〜9月) |
| 最大草丈 | 約30〜100cm |
| 耐暑性/耐寒性 | 普通/強 |
キンギョソウの種類

「キンギョソウ」は種類も豊富です。草丈の低い「ドワーフ系」から,切り花に適した「トール系」までさまざまです。代表的な品種には,最も一般的でピンク,黄色,白と様々な色が展開されている「キャンディトップス」,黒に近いブロンズ色の葉が魅力の「ブロンズドラゴン」,繊細な八重咲きの「トゥイニー」などがあります。
定番のドクロは全てのキンギョソウで見られる?
キンギョソウの育てる楽しみにドクロのような見た目になる「種苞」があります。
これまでいくつかのキンギョソウの品種を育ててきましたが,実際に育てた「キャンディトップス」,「ブロンズドラゴン」(上写真)のいずれもドクロの見た目の「種苞」を確認することができています。ただ,花付きは原種に近い「キャンディトップス」の方が優れるので,種苞の数も「キャンディトップス」が多く,「ブロンズドラゴン」の方は少し確認しづらかったです。育てる環境で異なる可能性もあるので,実際に育てて目で見て確認してみて貰えればと思います。
今回の成長記録では,ドクロの「種苞」ができる過程も詳しく記録して追ってきます。
日当たり
キンギョソウは日当たりを好む植物ですが,真夏の強い直射日光による乾燥は弱い傾向があります。耐寒性はとても高いので冬の寒さにはよく耐えますが,真夏の強い日差しの下では葉が痛むこともあるため,真夏は半日陰になるような場所に植えるのがおすすめです。
水やり
地植えで育てる場合は基本的には降雨のみで大丈夫ですが,実際育ててみて「キンギョソウ」は比較的乾燥に弱く,土が乾きすぎると水枯れを起こしやすい印象です。実際に猛暑の時期、周囲の植物が元気に育っている中で「キンギョソウ」だけがしおれたことがあり,真夏の土が乾きやすい環境では水やりが必要だと感じました。夏場は特に朝夕の水やりを忘れずに行うと安心です。
成長記録
2025年3月
3月の中旬にキンギョソウの品種「キャンディトップス」の3号ポットを2つ購入し,花壇の前列の空きスペースに植えました。

こちらが植え付け後です。苗の大きさはともに横幅10cmくらいで,だいたい10~15cmほど離して植えました。植え場所は,家の西側で昼以降,夕方まで直射日光が当たる日当たりが良好の場所です。

2025年4月
4月下旬になり,植え付けから1ヶ月半ほどが経過しました。

だいぶ株が成長し,10~15cm程離した間隔が無くなっています。
2025年5月
5月上旬になり,蕾がたくさんできて,一部開花をはじめました!

5月中旬には蕾に数がさらに増えてきました。正直,これまで育てたことのある銅葉の「ブロンズドラゴン」より,明らかに花付きが良いようです(銅葉はとても魅力的なのですが)。

2025年6月
6月上旬に満開になりました。キンギョソウの満開の黄花と,右下に見える常緑多年草の「アルペンブルー」の青花とのコラボが素敵です。ちなみに裏に見える赤い花は「ギョリュウバイ」という常緑低木です。

アップです。「キンギョソウ」の名の通り,花の形が金魚が泳いでいるように見えるでしょうか?!

またキンギョソウは別名で,スナップドラゴン(snap dragon)とも呼ばれ,花の形が小さなドラゴンが口を開けているように見えるかららしいのですが,何をどう見たらそのように見えるのか,もっと分かりません笑。
6月中旬になり,花数が減ってきました。

花後の種苞ができはじめました。


6月下旬,種苞ができ始めてから半月ほどで穴ができ始めました。

ですがまだこの状態ではドクロに見えません。。

2025年7月
7月になりました。

まだ完成?に至ってませんが,だいぶ見た目がドクロっぽくなってきました。
植わったままだとドクロの顔が上下逆なので分かりにくいので,このように逆さに持ってみると分かり易いです。後頭部が長いエイリアンっぽい見た目です。(このことから,欧米では「スカルフラワー(Skull Flower)」とも呼ばれるらしいです。)

枝を採取して地面におくと種苞の中から黒い種がたくさん出てきます。


頭が長かったり短かったり,驚いた表情だったり,色んな種類のドクロがいます笑

種もできてこれで今年のサイクルが終わりかなと思ったのですが,7月中旬にまた2度目の開花期がやってきました!右隣の常緑低木「斑入りギンバイカ(マートル)」も開花期なので,左の隣のシルバーリーフの常緑低木「ウエストリンギア・スモーキーホワイト」と併せてコラボに期待です。


残したままになっている干からびた種苞と満開の黄花のコラボがなんだかシュールです笑

7月下旬まで開花が続きました。キンギョソウは開花のサイクルを繰り返すので,結果的に花期がとても長いです。

2025年8月
8月の中旬になりました。一番暑い時期ですが,連日の猛暑で土が乾くこともしばしば。地植えだし暑さに強いから大丈夫だろう,と高を括っていたのですが,葉が萎れて数日で急激に株全体が枯れ始めてしまいました。。

辛うじて緑の部分が残っているので,水やりの頻度も見直して復活に期待です!

2025年9月
9月になりましたが回復することなく,種苞の殻だけが残っています。


2025年10月
10月になりましたが,やはりというか復活の兆しは全くありません。

ただし,これだけの数の種苞ができたので,周囲に種が大量にばらまかれているはずです。来年の春にまた種が発芽したら,またこの記事を更新しようと思います。
まとめ
今回は「キンギョソウ」の成長記録を紹介しました。春先から夏にかけて長く咲き続け,花後に“ドクロ”のようなユニークな種苞もたくさん確認することができました。また実際育ててみて,特に「キャンディトップス」は花付きがよく,「ブロンズドラゴン」は花付きは劣るもののブロンズ色の葉がシックで庭のアクセントになります。一方,耐寒性は高く冬越しは容易ですが,真夏の強い日差しや乾燥には弱く,半日陰や朝夕の水やりなどの工夫が必要だと感じました。総合して,花色や草丈のバリエーションも豊富で,寄せ植えや花壇の彩りにおすすめの草花です。
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