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日陰で育つ『ヤブラン』の成長と開花~斑有無の品種と,よく似た白花『ノシラン』も紹介!

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 今回は少し和の雰囲気のある,常緑多年草『ヤブラン』について記事にしました。『ヤブラン』はその見た目と異なり,非常に強健で日向でも日陰でも育つことから,しばしば公園などメンテフリーの緑化としてグランドカバーに使われています。また,日陰のイメージから意外かもしれないですが,8~10月という真夏から秋までの一番暑い時期に花を長期間咲かせます。

 そんな『ヤブラン』ですが,我が家では,①2年前に植えた斑"有り"(緑に黄色のラインが入った)の品種,②裏庭に10年以上自生している斑"無し"(こちらが普通のいわゆる『ヤブラン』)を育てています(といっても,ほぼ放置ですが。。)。今回の記事ではこれらの『ヤブラン』の,冬でも草姿が変らない強健な姿春先の姿,また真夏の開花の様子についてご紹介します。そして最後に,『ヤブラン』によく似て,こちらも裏庭に10年以上自生していた白花の『ノシラン』についてもご紹介します。 

 

基本情報

種類 草花(常緑多年草)
科名/学名 ユリ科/Liriope muscari
開花時期 8~10月
草丈 20~40cm
耐暑性/耐寒性 強/強
日照 日向~日陰でも育つ

ヤブランの名前

 まず意外な事実として,名前に「ラン」とつきますが,「ラン科」ではなく「ユリ科」の植物です。また,英名に「Liriope muscari」とありますように,別名「リリオぺ」とか「サマームスカリ」とも呼ばれるようです。開花時の姿は確かに球根植物の「ムスカリ」に似ているかもしれません。

ヤブランの育て方

 ヤブランは非常に強健なので,日向でも日陰でも成長できます。せっかく日陰で育つ貴重な常緑多年草なので,低木の下など半日陰や日陰など,直射日光が当たらない場所に植えるのがおすすめです。

 ヤブランの増やし方ですが,株分けで増やすことができます。株分けの適期は,3~4月と9~10月です。

ヤブランの植え替え

 性質が強いので,植え替えにも耐えます。

 後述しますが,我が家ではヤブランをもともと直射日光が半日以上当たる南向きの花壇に植えていました。その後,玉突きで今の北向きの日当たりが悪い裏庭の日陰に植え替えました。植え替え前後の両者の場所で元気よく育っています。

 また最大横張りが40cm程度にしかならないので,植え付けは20~30cm間隔くらいがおすすめです。

ヤブランの害虫

 強健なので虫は尽きませんが,ナメクジに葉を食べられるときがあるようです。我が家でもこの後の成長記録にありますように,ナメクジにかじられた後を見かけるときがあります。

ヤブランの成長記録

2019年12月(冬越し)

 こちらが,2年前に裏庭の日陰に植え替えた斑入りの『ヤブラン』です。さきほど書きましたが,もともと半日以上直射日光が当たる南向きの花壇に植えていました。2019年春に,花壇に他の植物を植える関係で,玉突きで今の北向きの日当たりが悪い裏庭の日陰に植え替えました。もともと日陰向きの植物なので,問題なく育ってくれています。

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斑入りヤブラン(2019年12月)

 次は,我が家に元々植わっていた,斑無しの『ヤブラン』です(写真左上)。おそらくこの場所に10年以上(おそらく20~30年)植わっているものです。株の年齢の割にサイズは大きくないです(40cm程度)。他の植物のように無制限に大きくならず,『ヤブラン』は最大40cmくらいでまとまってくれるようです。植えつけ時の間隔など計算しやすく,育てやすい植物と言えるのではないでしょうか。多年草といっても2~3年で株が弱って枯れるものがあるなか,本当に少なくとも10年以上咲いていて本当に長生きな植物です。

 ちなみに手前に植わっているのは,以前記事にした『ヒューケラ・キャラメル』です。こちらも日陰に強いグランドカバーで,『ヤブラン』と寄せ植え的に合わせています。こちらは最近(2018年の年末)に植えたものです。

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斑なしヤブラン

2020年4月(春)

 春になりました。『ヒューケラ』の急成長に目が行ってしまいますが,新芽が出る前ということもあり,『ヤブラン』の草姿は変わりません。少し虫(おそらく,ナメクジ)にかじられた跡がありますが,冬越しのダメージは全く見られず元気です。

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斑入りヤブラン(2020年4月上旬)

 こちらは斑無の品種です。同じ4月でも少し時間が経っているので,『ヒューケラ』の白花が開花しています(写真左右手前)。

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ヤブラン(2020年4月下旬)

 こちらの斑無もそうですが,『ヤブラン』は春夏秋冬で草姿が殆ど変わりません。この点に関して右に出る植物はないのではないのではないでしょうか?

2020年8月(真夏の開花)

 梅雨が明けて夏本番になりました。『ヤブラン』も梅雨明けとほぼ同時期に,ついに開花しました!薄紫の花穂がとても美しいです。葉も,5月に新芽がでて,新しい葉にリフレッシュされています。

 それにしても,『ヤブラン』が夏本番で花を開花させるというのが地味目のイメージと違って面白い,と個人的に思ってしまいます。

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斑入りヤブラン(2020年8月)

  今回,特に見とれてしまったのは,こちらの斑なしのヤブランの花です。繊細な薄紫の穂状の花と濃い緑の葉のコントラストがとても上品でキレイなんです。

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ヤブラン(2020年8月)

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ヤブランの開花アップ(2020年8月)

  しばらくはこの美しい花を楽しみたいと思います。


黄斑ヤブラン

裏庭で見つけた白花ヤブラン?

 裏庭を見回り中,ふと見たこともない白花の植物を見つけました。一瞬白花の『ヤブラン』かと思いましたが,よく見たら白花の『ノシラン』。こちらもヤブランと同じく『ラン』がつきますが,どちらも「ラン科」ではなく,「ユリ科」の植物です。こちらも,裏庭に10年以上植わっている株です。裏庭は雑草がもの凄く,開花までその存在に気づきませんでしたが,最近庭づくりを進めて見通しが良くなったので発見できたのだと思います。

www.papa-niwa.com

 

 

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白花の『ノシラン』(2020年8月 )

 多年草といっても2~3年で株が弱って枯れるものも多いなか,『ヤブラン』も『ノシラン』も少なくとも10年以上同じ場所で咲き続けていて本当に強健で長生きな植物です。

まとめ

 今回は,日陰でも育つ常緑多年草の定番である『ヤブラン』について,斑入り,斑無しの品種,そして最後に白花のヤブランに似た『ノシラン』をご紹介しました。地味な印象ですが,花色,葉色が選べてバリエーション豊富だったり,強健な性質で日向でも日陰でも育てられるなど,メリットが多い植物です。夏に花を咲かせますし,お庭の寄せ植えやワンポイントにとてもおすすめです。