セアノサスは,別名カリフォルニアライラックとも呼ばれる常緑低木です。最も人気のある品種,パシフィックブルーは,ディープブルーの光沢のある特徴的な形の花がとてもきれいです。花からは,石鹸のような良い香りがします。
我が家では,ディープブルーのセアノサス パシフィックブルー(Pacific Blue)とセアノサスの別品種,エルドラド(El Dorado)を育てています。パシフィックブルーは既に記事にしていまして,今では我が家の庭で一番のお気に入りの庭木に成長しています。
パシフィックブルーが余りにも気に入ったので,同じセアノサス系で,花が水色で葉色が明るく斑入りのエルドラドを見つけた時,衝動的に2株も買ってしまいました(笑)ちなみにエルドラド(El Dorado)はスペインの大航海時代に南米アンデスの奥地にあるとされた『黄金郷』の意味らしいです。なんとも素敵な名前です。。
そんなセアノサス エルドラド育成についてですが,パシフィックブルーは最近人気になっているためか,ちょくちょく情報は見かけるのですが,エルドラドについては殆ど見かけません(この時点で少し大丈夫かな,という不安はありましたが。。)。今回は,手探りで育成していますセアノサス・エルドラドの育成記録と,1年育てて今年も一応・・・開花しましたので,ご紹介します。
基本情報
種類 | 常緑低木 |
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学名 | Ceanothus El Dorado |
花色 | 青 |
開花時期 | 3~5月 |
最大樹高/横張り | 1.5m/1.5m |
耐暑性/耐寒性 | やや弱/やや強(耐寒温度-10℃) |
セアノサスの種類
同じ斑入り葉では,『クールブルー』という品種もあります。クールブルーの方が斑入り葉の白が強く,矮性です。(実は,以前育てていたことがあったのですが,数カ月で枯らしてしまいました。)
その他のセアノサスの品種では,ピンク花の『パールローズ』,白花の『スノウフリューリー』があります。『パールローズ』は広葉で,セアノサスでは珍しく落葉性です。現在(2020年)は,『クールブルー』と『スノウフリューリー』の販売は殆ど見かけません。
セアノサスの水やり
庭植えでは,地植え直後に水をやって以来,降雨のみで大丈夫です。もともと,乾燥地帯原産のため,高温多湿で枯れる場合があるそうです。実際自分でそだててみたところ,そこまでヤワな低木ではないという印象ですが,過度な水遣りは避けた方が良いと思います。そちらの方が手間がかからないですし。
鉢植えの場合は,土の表面が乾いたら水遣りをします。
セアノサスの病気・害虫
特に虫がつきやすい庭木ではないです。エルドラドは1年育てて虫はつかなかったです。別品種のパシフィックブルーは,1年目の秋に,なぜかツバキやサザンカにつくはずのチャドクガの毛虫が発生しました。2年目は,ベニカXスプレーの最高上位商品?のベニカXネクストで対策してたためか発生はありませんでした。
セアノサスの成長
*半年に一回のマグァンプ適量と降雨のみで育成
セアノサスを植えた場所
5号ポットを2株購入して地植えしました。セアノサスは原産地が北アメリカの乾燥地帯のため,多湿に弱く,乾燥した風通しの良い涼しい場所を好むようです。 パシフィックブルーは風通しの良い西側花壇に植えて順調に育っているので,同じ花壇に植え付けました。
花壇の中での具体的な場所は,下記リンクの西側花壇の「花」くらいの位置です。そもそも植える場所がなく(勢いで買ってしまったという「ガーデニングあるある」です),シルバープリペットなどの低木の裏に植えました。パシフィックブルーが直射日光でかなり弱った経験があるので日よけの意味もあります。
樹高が1m以上あるシルバープリペット裏なので,日当たりはあまり良くなく,日光が直接当たるのは昼の11~14時の間だけです。半日陰といってもいいかもしれません。
2019年5月上旬
地植えしたばかりの状態です。買った2株とも地植えしました。水色の花と斑色の葉のコントラストが本当に美しいです。この時点では,高さ20cmくらいですが,これから大きく育ってくれると思うと本当に楽しみです。
パシフィックブルーとの比較です。小さな花が集まって手毬状になっているのは同じですが,その密度が低めです。花色は,パシフィックブルーがまさにディープブルーといった色合いですが,エルドラドは爽やかな水色で,これが明るい色の斑入り葉と相性が良く美しいです。
2019年12月下旬
9カ月ほど経ちました。セアノサス パシフィックブルーと同様に,真夏の暑さに相当やられて,葉が大量に落ちてしまいました。ただ,ディープブルーは,秋ごろから葉数が戻ってきたのですが,エルドラドは葉数が減る一方です。残っている葉も茶色くなっていたりと元気がないです。。本当に,落葉樹かというほどに葉が落ちます。
2020年3月下旬
3月に入っても回復のきざしは見られません。黄色く見える葉が古葉で,緑色が強いのが新しい葉ですが,あまり新しい葉が出てきているように見えません。花壇の後ろの方に植えて,他の庭木が成長したため,日当たりがいまいちになったためでしょうか?
2株の内,もう一株はさらに酷い状態だったので,鉢上げして,日当たりの良いところに移してみました(次の写真)。こちらの株は,まわりの庭木が成長してさらに日当たりが悪かったので,「日当たり不足の仮説」に従って対応してみました。根本原因は,昨夏の暑さだと思っていますが。。
ちなみにこの頃にはパシフィックブルーは開花しています。エルドラドは開花の時期も遅いようです。
2020年5月中旬
5月中旬になり,ようやく開花しました!パシフィックブルーの開花は,今年(2020年)は3月末でしたから,1.5カ月も遅れたことになります。
咲いたのは2株の内どちらかと言うと,,,鉢植えの方です。地植えは全く花が咲いていません。やはり,鉢植えにして日当たりを改善したのが良かったのでしょうか。
ただし,咲いたのはこの一輪,たった一輪だけです(笑)少し離れてみると,この寂しさが分かると思います。花がどこにあるか,分かりますでしょうか?
花があるのは写真の上の方です。また,葉は相変わらずスッカスカですが,新葉が出てきて増えてきているのは間違いないです。
次は地植えの方も見てみます。
撮影時の天気があまりよくなく,花もないということで,なんだか暗い雰囲気に見えますが,葉数はこっちの方が多いですね。結構,しっかりみても現時点で蕾も一つもないので今年は咲かないのでしょう。。
高さを測ってみると,地植えが40cm強,鉢植えが40cm弱といったところでした。横張も同じくらいです。1年前からは2倍くらいは大きくなっていて,成長はしているのですが,花が咲かなかったのがとても残念です。。
何か変化があったらここでご紹介したいと思います。
育成に苦戦の理由
ここで同種のセアノサスパシフィックブルーとほぼ同じ場所で育成しているにも関わらず,うまく育ってない理由を考えたいと思います。可能性として,以下が考えられると思っています。エルドラドに関しては,情報がないので多分に推測が含まれますが。
- 根本的に,品種としてパシフィックブルーより弱い(特に耐暑性)
- 植え付け時の苗が小さく,株が充実していないため弱っている
- 低木(1m位のシルバープリペット)の裏に植えたので,日当たりが良くなかった
前者の理由だとどうしようもないですが,後者の理由なら大きくなった来年の結果で検証できると思います。
まとめ
今回は,セアノサス(カリフォルニアライラック)の水色花,斑入り葉の新品種エルドラドの成長と開花について紹介しました。実際に育ててみて,斑無し緑葉のセアノサス パシフィックブルーと比較して,夏越しが難しく育成難易度が高いです。ネットに大きく育てた事例が上がっていないのもそういう理由があるかもしれないとも思いますが,大変魅力的な植物なので育成に調整してみる価値はあると思います。
★★★