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【クリスマスローズ】花茎の切り戻しの時期と方法~庭のクリスマスローズを使って紹介

 今回は,シーズンオフになりつつあるクリスマスローズの切り戻しについてです。

我が家では,クリスマスローズの種類として,これまで記事にしているピンク花の①『氷の薔薇』(ドイツの園芸博で最高賞を受賞したらしい品種,下の記事に記載)白花ダブルの②『エレガンスアイス』,その他,白花シングルの③『クリスマスキャロル』,ブランドは不明ですが④『ダブル レッド』の,計4種類を育てています。

www.papa-niwa.com

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  いずれも,2020年度の花期という意味では,明らかにピークが過ぎていまして,花茎の切り戻しが必要とされる時期になっています。

 では,切り戻しのベストの時期,タイミングはいつでしょうか?満開が過ぎたらすぐ?花色が褪せて緑ががって来た時?花が自然に落ちる時?最初は,自分も良く分かっていませんでした。クリスマスローズも色褪せた花も,見方によってはまだまだ鑑賞価値があり,できるならすぐには切り戻したくないということもあるかと思います。

 そこで今回は,クリスマスローズの花後に切り戻しが必要が必要な理由と,そのタイミング,切り戻し方について記事にしてみました。

 

切り戻しが必要な理由

  花茎の切り戻しが必要な理由はズバリ,種に栄養が行かないようにするためです。これによって,次の年の成長に栄養をまわし,順調に育成・開花させることができます。

 下の写真は、うちにある③『クリスマスキャロル』です。花が相当に緑がかっています。右下は種房(あとで説明します)がかなり大きくなってしまっています。

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クリスマスキャロル(2020年4月下旬)

 アップがこちらですが,種房が大きくなり過ぎて,若干気持ち悪い感じもします。。

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クリスマスキャロル(2020年4月下旬)

 こちらは氷の薔薇です。こちらも雄しべが完全に落ちて,種房が大きくなっています。クリスマスキャロルほどではないですが。

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クリスマスローズ 氷の薔薇(2020年4月下旬)

 次は『氷の薔薇』の種房の中を開けてみた写真です。

 直径1ミリもない小さな種がたくさん入っています。この種を作るのに,来年花を咲かせるためのエネルギー,あるいは栄養が取られてしまいます。また,人によっては,こぼれ種で,株のまわりに芽が出ることを嫌う方もいると思います。このため,種ができる前に花茎を切り戻すことが推奨されています。

 このような理由で,クリスマスローズの花茎の切り戻しは必要とされています。

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クリスマスローズ 氷の薔薇の種房(2020年4月下旬)

 

切り戻しのタイミング 

 それでは,ベストの切り戻しのタイミングはいつでしょうか?種に栄養を渡したくない,というのが切り戻す目的ですから,種ができはじめてすぐ切り戻すということになると思います。下図(出典:日本園芸協会)にありますように,種房は雌しべの底部が膨らんでできるので,雌しべが大きくなり始めたときに切り戻せば,種に栄養を殆ど与えずに済みそうです。

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出典:日本園芸協会HP→http://hama-entomo.net/

  ただ個人的には,そこまでシビアでなくてもいいのでは,と思っています。例えば,種房がそれなりに大きくなった場合でも,栄養を全部持って行かれている訳ではないので,花の鑑賞価値がある以上は、切り戻しはしなくてOKと考えています。

 その極端なケースとして,個人的な経験で恐縮ですが,2年前は一度も切り戻しをしませんでした。しかし,昨年立派に花が咲いてくれてました。ですので,あくまで個人的なやり方ではありますが,種房が大きくなって不格好になったりして,花の鑑賞価値が落ちない限りは切り戻さないようにしています。だって,まだキレイなんですもん。

 ただ,あくまで個人の感じ方によると思ってまして,色褪せてピーク時からみるとかなり鑑賞価値が下がったと感じる方や,来年の開花を少しでも良くしたい,と考える方も当然いると思います。その場合は,種房ができ始めた時点(少し大きくなった段階)で切り戻しをなさってもいいのではないかと思います。

切り戻しまでの期間を延長する方法

 自分を含めてそうですが,「花が色褪せても十分きれいじゃないか!」とお思いの方,方法があります。

 要は種に栄養を吸い取られないようにすればいいので,種房を取ってしまいます。とるときは,種房全体をつまみ,軽くひねるようにすると,ブチっと取れます。おそらく想像より,固くて取れにくいので,花の根本で折れないように注意してください。

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クリスマスローズ 氷の薔薇(2020年4月下旬)

  すると次の写真のような形になります。一瞬違いが分からないかもしれませんが,種房がありません。見た目も,何かが欠けてる感がありますが,なんだかすっきりしています。これで種に栄養がいかなくなるので,しばらく花を観賞することができます。

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 繰り返しにはなりますが,やはり来年の開花のための栄養を取られたくない,あるいは,色褪せた時点で鑑賞価値がない,とお思いの方もいらっしゃると思います。その向きは,早い段階で切って頂いて問題ないかと思います。

切り戻しの方法

切る株を選ぶ

 今回,我が家の庭を実例にしてますので,まずは育てているクリスマスローズ4種の内,どれを切り戻すかを選定しました。

 まず,すでに種ができてしまっている①『氷の薔薇』は切り戻すことにしました。また,③『クリスマスキャロル』も,種房がとても大きくなっていて,かなり不格好なので切り戻すことにしました。

 次は,ダブルホワイトの②『エレガンスアイス』です。この品種は,かなり下を向いているので,うつむいている人に「こっち向いてよ」と言わんばかりに,花の根元を軽くつかんで,こちらに向けました。これをその写真です。

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 見にくいですが,また雄しべ(花の真ん中にある細い・・・何だ?線?糸?(笑))が残っています。まだまだ花色,形ともきれいです(個人的には)。なるべく保存する,という方針のもと,②『エレガンスアイス』は今回は切り戻ししないことにしました。

 最後は,一番咲くのが遅かった④ダブルレッド。この子は,雄しべもたくさん残っていますし,まだまだ咲いてくれそうです。なので,④ダブルレッドは切り戻しはしないことにしました。

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 という訳で今回は,①『氷の薔薇』と③『クリスマスキャロル』の2株を切り戻すことにしました。

 

切り戻してみました!

 いよいよ切り戻しの方法です。切り戻すと花茎の断面が露出しますので,そこから菌やウイルスが侵入し病気にかからないよう,雨の日は避けた方が良いようです。さらなる予防として,次のようなウイルス予防剤で断面を消毒する方もいるようです。(当ブログでは,手間をかけない園芸を提案しているので,自分は面倒なのでやりません。。が,ここは感性の問題だと思いますので,慎重を喫する方は使用をご検討ください。)

 また,クリスマスローズに葉や切り戻したときにでる草汁には毒成分が含まれていて,触ると皮膚のただれなどの症状を引き起こす場合があります。念のため,軍手などで手を保護しましょう。

 切り戻しの方法は,簡単です。花茎を根本から3~4cmのところで切るだけです。

切り戻し方法は,protoleafチャンネルの金子先生の動画がおすすめです。実際切るとなる,繊細なクリスマスローズは花を触るだけで若干抵抗があるので,長い間楽しませてくれた花茎をばっさり切るとなると,かなり勇気が必要です。この動画を見ると,かなりサクっと大胆に切っていて,勇気を与えられます(笑)。


クリスマスローズの花茎切り

 

 一方,動画とは対照的に,自分はかなり慎重にやりました。実際のところ,ものによっては,かなり葉や茎をかき分けないと,ターゲットの花茎のみを切るのは意外と難しいのです。以下,花茎切り戻しBefore/Afterです。

『氷の薔薇』の切り戻し

 Before

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 After

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 いっぱい花が咲いていたのですが,花茎としては太いの1本と,細いの1本の計2本しかありませんでした。葉を折らずにかき分けて切るのはなかなか大変でした。

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 次は,③『クリスマスキャロル』のBefore/Afterです。

『クリスマスキャロル』の切り戻し

Before

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クリスマスキャロル(2020年4月下旬)
After

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  最後に,①『氷の薔薇』切り戻し後の切り花についてです。ちょっとしつこいですが,個人的にはこの緑がかった花もかなり素敵で鑑賞価値は高いのでは?と思っています。結果的に種はできてましたが,この時期(4月下旬)まで粘って,切り戻しせずに保存しておいて良かったと思っています。また,12月から4カ月間,成長含め,楽しませてくれて感謝です。

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  こちらは,氷の薔薇とクリスマスキャロルを切り戻して出た切り花を集めた様子です。(切り戻し後,1日放置したためだいぶ萎れています。)

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 テーブルを見るとお気づきのように,切り戻しをしたその日の夕方に予想外の雨が降りました。先に書きましたように,切り戻した断面からのウイルス感染がちょっと不安ではあります。。(このご時世でウイルス感染というと,別の意味になりそうですが、、)まぁ,この程度なら大丈夫と思います。何か変化がありましたら,ここでご報告します。

まとめ

 今回はクリスマスローズの切り戻しについてご紹介しました。昔は自分も良くわかっておらず,2年前は1回も切り戻しをしませんでした。それでも昨年は普通に咲いたので(切り戻しすればさらに元気よく咲いてくれのでしょう!),そこまで不安にならなくてよいのですが,最後には花が落ちて綺麗でなくなるので,どうせなら翌年のため切り戻しはやっておいた方がいいと思います。今回の内容を参考にして頂き,切り戻し適切なタイミングで切り戻しはされてはいかがでしょうか。