今回は,育成簡単で収穫後のレシピも豊富な家庭菜園の定番『ほうれん草』を育ててみました。今回育てた『日本ほうれん草』は,秋撒きに適した日本の在来種で,食味に優れるのが特徴です。
今回我が家では「日本ほうれん草」を種から育成してみました。なかなか発芽せず心配もしましたが,その後の手間は数度の間引きのみと簡単に育成でき,収穫まですることができました。収穫後は,茹でたほうれん草を家系ラーメン(豚骨醤油)に添えて食してみました(笑)さらに,番外編として5月まで育成して珍しい?ホウレンソウの開花と,種が再びできるまで記録してみました。
基本情報
種類 | 草花 1年草 |
---|---|
科属 | ヒユ科ホウレンソウ属 |
学名 | Spinacia oleracea |
種まき | 9~12月(暖地),9~11月(中間地),8~9月(寒冷地) |
収穫時期 | 10~3月(暖地),10~3月(中間地),9~12月(寒冷地) |
最大草丈 |
10cm (花茎ができると約30cm) |
耐暑性/耐寒性 | 弱/強 |
日本ほうれんそう
ほうれん草の英語でスピナッチ(spinach)と言いますが,学名(Spinacia oleracea)はその由来となっています。
日本ほうれん草についてですが,一般的にホウレンソウは種の春撒き,夏撒き,秋撒きとありますが,「日本ほうれん草」は寒さに強く,秋撒きに適した日本在来種として一般的のようです。
また,種(の殻)にはトゲがあり,葉の切れ込みが深いのが特徴です。食味は,アクが少なく食べやすいのが特徴です。
育て方
種の包装袋に記載の育て方です。上にも記載しましたが「日本ほうれん草」の種は秋撒きが適しています。
育成はとても簡単です。上図の通り,種まきした後は,生育段階に合わせて適宜間引きするだけです。具体的な手順は,成長記録のところで詳しく見ていきます。
肥料
植え付け時に元肥を混ぜ込みます。マグァンプK中粒などが簡単でおススメです。
育成の過程で,葉が黄色みを帯びることがあります。肥料不足のサインですので,適宜追肥します。”即効性”のある液肥や,マグァンプK小粒がおすすめです。
日当たり・水やり
日当たりに植えます。もともと秋植えなので冬の日照で葉焼けしたり,株が痛むことはありません。水やりも降雨のみで十分ですが,カラカラになった場合は適宜水やりします。
成長記録
今回はプランター(10号鉢サイズ)で育成しました。プランターは,南向きの庭の日当たりの良いところに置いて育成しました。
2022年11月12日(種まき)
今回はこちらのニチノウのタネの「日本ほうれん草」の種を使いました。
パッケージを開けると,こんな三角形状のトゲ付きの種がでてきます。日本ほうれん草をはじめとする東洋種はトゲ付きが多いようです(西洋種は丸型が多い)。特にトゲの部分が固く,皮膚にも刺さるので,小さい子供が扱う場合は注意しましょう。
ちなみに種の本体はこの固いトゲ付きの殻の中にある訳ですが,”発芽率をあげるために種まき前に半日~1日程度水に浸すと良い”と言われます。実際,発芽までの期間が短くなったり,発芽率も上がるみたいですが,今回は種の数も豊富にあったので,敢えて浸水せず,そのまま撒くことにしました。
土づくりですが,鉢の裏に映りこんでいる,ホームセンターなどで手に入る,野菜と花用の培養土を使いました。
土を自分で作るときは,赤玉土と腐葉土を2:1で混ぜ合わせてから適宜肥料を混ぜ,また酸性に弱いので,PH調整用に石灰を加えておくと良いようです。
まず,種まきようの穴を表面に作っていきます。種と種の間隔が5cmくらいになるように,指で穴を形成しました。
穴の中に種を入れて1~2cm土を被せて軽いならしたら,まずは種まき完了です。
2022年11月18日
種植えつけ後,約1週間がたちますが,全く芽がでる気配がありません。。固い殻があるためか,これまでの種まき育成した植物の中でもかなり発芽は遅いです。
2022年11月20日(発芽!)
やっぱり水に浸けてから撒けばよかったかなと・・と思い始めた8日経過した頃,よく見るといくつかの種の発芽をようやく確認できました。
2022年11月22日
種まきから10日経って,だいぶ発芽が進んできました。小さな子葉がカワイらしいです。
2022年11月28日
種まきから16日後です。種を撒いたほぼ全ての場所から発芽が確認されました。発芽には少し時間かかりましたが,水に浸けずとも発芽率としては問題なさそうなことが確認できました。
2022年12月2日(間引き1回目)
種まきから20日後です。細長い子葉のわきから,丸い形の本葉がでてきました。本葉が2~3枚出てきたら1回目の間引きのサインです。
ほうれん草は直根性で,縦に根が伸びるのでなかなか抜きづらいのですが,残す苗を巻き込んだり,傷つけないように慎重に間引きます。
株間が5cmになるように間引きできたところで(つもり),終了です。
2022年12月15日(間引き2回目+追肥)
種まきから33日後です。1回目の間引きから,2週間ほどが経過しましたが,順調に成長して,また込み合ってきています。本葉が4~5枚ほど出て来ているタイミングで2回目の間引きを行います。
前回より根が深くなっているので,より慎重に間引いていきます。
こちらが2回目の間引き後の様子です。このタイミングで追肥しました。使ったのは,比較的即効性のあるマグァンプK小粒です。(ちなみに中粒は地表では溶けないので,置き肥としては殆ど機能しません)
2022年12月31日
種まきから49日後の年末です。だいぶ葉も大きくなってきました。
2023年1月22日(収穫:間引き3回目)
さらに3週間ほど経過しました。とても寒いのに,2回目の間引き後もモリモリと成長しています。
ここで,3回目の間引きも兼ねて収穫です!こちらは収穫した「日本ほうれん草」の一部です。まだ小さいですが,初の収穫なのでどんな味か楽しみです!
2023年1月22日(家系ラーメンのトッピングの茹でほうれん草として試食)
今回はラーメンの具材用に,シンプルに茹でてみました。ほうれん草そのものの味も分かるし,おすすめです。
まず,良く洗ってから葉以外の根の部分をカットします。
この後,茹でたら完成です。
今回はほうれん草に良く合うラーメンということで,冷凍の横浜家系ラーメンの具材として使ってみました。
甘みがあって,とても美味しかったです!この後,2回ほど収穫(計3回)ができました。
番外編~珍しい?開花と種
通常気温が上がってくる3月中旬以降は,食味が落ちるので,育てないのが一般的ですが,そのまま放置するとどうなるか?観察してみました。
2023年3月18日(蕾)
こちらが3月中旬の様子です。何度か収穫後も生育して,またプランターにぎっしりと植わっています。そしてみると,株の左上,右上辺りに蕾が見えます。
2023年3月24日(開花)
さらに1週間が経過し,花茎が立ち上がってきました。茶色く見えているのは,アブラムシです。蕾ができるまで一切虫はでなかったのですが,ここにきて初めての病害虫です。さしあたり,ベニカXネクストで処置しておきました。
ちなみにこの段階までくると,食味はかなり落ちていて粉っぽく食べられたものではありません。
2023年4月9日(種)
さらに2週間が経過しました。ベニカXネクストの処置もあってか,アブラムシはほぼ撲滅できました。花を凝視しようとすると見慣れないものが・・・
角にトゲのついた三角形状・・・そう,色は緑ですが最初に撒いた『種』ができはじめています!
2023年5月2日(種の収穫)
さらに4週ほど経過しました。もう葉はボロボロになっています。。
種を見ると,先にできた種は緑色から良い感じに薄褐色に変色しています。
4~5個がひと塊になっているので,トゲに刺さられながらも1つ1つに分解していきます。
最初の「ニチノウのタネ」の袋に入っていた種と,まるっきり同じ色,形です(笑)さすがに製品と比べると,大きさが不揃いですが,なんだか感動しました!
種から種へ・・成長サイクルが一周ループしたということで,今回の成長記録は以上です。
まとめ
今回は,家庭菜園の定番で収穫後にいろんな食べ方,楽しみ方ができる「日本ほうれん草」を育ててみました。実際育ててみて,数度の間引き以外殆ど手間が要らず,とても簡単に収穫まで至ることができました。とても簡単で,収穫後の用途も豊富とおすすめなので,「ほうれん草」好きなら是非トライしてほしいです。