今回は家庭菜園で育てた「フルーツパプリカ」の成長記録です。フルーツパプリカとは,パプリカ(paprika)の中でも実が小型で,食べると甘みが感じられるのが特徴です。
我が家では,家の南向きの日当たりの良い場所でプランターに植えて育ててみました。実際育ててみて,水やりと肥料やり以外は手間のかからない育てやすい植物で,ほぼ放置管理に近い育成でしたが,無事1苗で10個以上のパプリカの実を収穫できました。今回はその成長記録と,パプリカを育てる上で重要な病気とその対策についてもまとめてみました。
基本情報
種類 | 草花 ナス科トウガラシ属 |
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学名 | Capsicum annuum 'grossum' |
花色 | 白 |
収穫時期 | 7-11月 |
最大草丈 | 1m |
耐暑性/耐寒性 | 強/弱 |
全般育成
パプリカは,他の家庭菜園の作業で必要な場合のある,剪定,受粉,間引きといった手間がなく,水やりと施肥以外は手間のかからない植物です。一方で,病気やそれに関わる水やり,施肥,日当たりにやや注意が必要です。
パプリカの病気
まずパプリの育成で重要な病気についてです。
尻腐れ病は,実のヘタと反対側の底部に黒い変色が発生し,放置すると真っ黒に変色して痛んでやがて穴が開いてしまいます。尻とありますが,肩にも出ます。
いったん穴があくと,内側にコバエなどの虫がたかって他の実にも影響がでるので早めに取り除きましょう。
また日焼け果といって,実に強い日差しが当たり過ぎることが原因で,実の部位に依らず果面の一部が白くなって陥没しまう病気もあるようです。ただ尻腐れ病の発症が実の底部のみと思いこまれている場合があり,その際に実の側面にできた痛み(本当は尻腐れ病)を日焼け果と勘違いする場合もあるようです。
パプリカの病気の予防
尻腐れ病の原因として,窒素過多,カルシウム不足が考えられています。実の成長に肥料は必要ですが,窒素分が少ない肥料を適量与えます。また,パプリカにとってカルシウムは実の成長に欠かせない栄養分となります。石灰を撒くなどで栄養を与えましょう。
日焼け果に対しては,夏の野菜だけに避けるのは難しいですが,極端に強い日差しは避けるようにします。
日当たり
日当たりを好みます。ただし真夏に日差しが強すぎると,上に書いた日焼け果の原因となるので,兆候が見られたら場所を変えたりネットで陰を作るなどの対応が必要です。
水やり
パプリカは水を欲します。実際に水やりを怠り水分が不足すると,直ぐ枯れる訳ではないですが,葉が萎れて回復までに時間がかかります。なるべく乾燥のサインが葉の様子から見える前に多めに水やりを欠かさないようにします。
成長記録
2024年7月
こちらが植え付け前の「フルーツパプリカ」の3号ポット苗です。
苗の上の方を見ると黄緑色の色が抜けてしまっています。これは,植え付け用の丁度良い大きさのプランターがなくて,外がもう夏日で誤って水枯れしないように家の中に置いていたのですが,暗い場所だったので光合成ができなくてこう様になってしまったようです。
7月中旬にようやくプランターが空いたので植え付けしました。
次の写真は植え付けてから3日後の様子です。天辺の色抜けが少し収まっています。
7月下旬になって白色の花が開花しました。受粉した後にフルールパプリカの実になります。
特に,人工受粉などの作業は必要ありません。
2024年8月
花後の8月上旬には実ができ始めました。
フルーツパプリカだけでなく,パプリカ全般に肥料をとても必要とするので,ばらまきでも効果を発揮する「マグァンプK小粒」を施肥しました。
8月中旬の様です。パプリカは高さがでる上に茎が細めなので,強風で倒れやすいです。デフォルトで30cmくらいの短めの支柱がついていたのですが,高さ60cmくらいに大きくなって効果がなくなってしまったようです。見事に斜め45°に傾いてしまいました。
この後,株へのダメージがないことを確認した後,今後また倒れないように1mの支柱を設置しました。
8月下旬になりました。いくつかキズがあるものもありますが,実は順調に大きく育っています。
いくつかの実は黄色く色づいてきました。
2024年9月
9月上旬になりました。
尻腐れ病による痛みが一部ありますが,パプリカの実がだいぶ色よく熟してきました。
ということで最初の1つ目を収穫しました!
一個の目の収穫のあと,5以上同時の実が大きく育ってきました。次回の収穫時は,まとめて収穫できそうです!
だいぶ色づいてきました。葉が萎れているのは,水やりを忘れたからです。この後水をたっぷりあげることで回復しました。9月はまだまだ暑いので,水やりの忘れはくれぐれも注意しないといけません。
実が緑色の状態で十分大きくなってから2週間ほどで黄色に熟しました。左上には後続の実がたくさん成っています。一方で,右下の実は尻腐れ病でやられて大きな穴ができてしまっています。
ちょうどこの尻腐れ病の実が時系列で映り込んでいたので進行の具合を確認してみます。
この間,丁度2週間ですが黒色の変色から穴あきまでかなりの測定で進行していることが分かります。
気を取り直して・・・ダメージの無かった4つを収穫しました。
収穫したパプリカはサラダに添えて頂きました!「フルールパプリカ」という名から想像していたほど甘みはないですが,美味しかったです!
2024年10月
10月になってもたくさん実をつけました。以降,5つくらい収穫できました。
2024年12月
こちら現在の様子です。実は11月になっても生り続けていたのですが,きれいに黄色になる前に腐ってしまったり,もう季節的に無理があるということでしょう。
株もいよいよボロボロになってきてしまったのでそろそろ撤去のタイミングですね。。
7月中旬にプランターに3号ポット苗を植え付けてから合計12個の実を収穫することができました,ということで今回の成長記録は以上です。
『フルーツパプリカ』は種からでも育てられます
まとめ
今回は家庭菜園で育てた「フルーツパプリカ」の成長記録を紹介しました。実際に育ててみて,7月中旬に植え付けから10月までで合計12個の実を収穫することができました。放置管理で手間もかからず,かなりコスト・手間のパフォーマンスが高い植物です。水やりと施肥だけで気をつければ誰でも簡単にたくさんの実を収穫できる,家庭菜園向けのおすすめの野菜だと思います。
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