今回はニュージーランド原産の個性的な常緑低木『コプロスマ』の成長記録です。『コプロスマ』の魅力は,光沢のある多種多様なカラーリーフです。あまり大きくならない低木のため,常緑の寄せ植えの素材として使われることが多いようです。
我が家では,その強健と言われる性質に期待して,日差しが過酷なエリアに地植えして育ててみました。実際に立性と這性の2種類を育ててみて,無事1年,葉を落とさずに越すことができました。成長速度もゆっくりなことと合わせて,とても育てやすい低木であることが分かりました。今回は,そんなコプロスマの1年間の成長記録について紹介します。
基本情報
種類 | 常緑(小)低木 |
---|---|
学名 | Coprosma |
花色 | 白(目立たず鑑賞価値は余りありません) |
開花時期 | 3-5月 |
最大樹高 | 60cm |
耐暑性/耐寒性 | 強/強 |
コプロスマの種類
■立性
コプロスマといえばカラフルな光沢の葉が有名ですが,これら園芸品種は全て立性の「コプロスマ・レペンス」に含まれます。
↓「コプロスマ・レペンス」の中にはたくさん種類があるのですが,日本のサイトには詳しい物がなく,こちらの海外サイトに画像付きで詳し目に載っていました。
左から,寒くなる赤く紅葉する「レインボー・サプライズ」,明るい黄色の「イーブニング・グロー」,落ち着いた褐色の「ピナ・コラダ」,一番右が緑と黄色のコントラスが印象的な「テキーラ・サンライズ」です。
これらが代表的な品種で,日本の園芸店でも良く見かけます。
■這性
横に伸びる這性品種の「キルキー(カーキー)Kirkii」です。コプロスマの這性品種で,これまで「キルキー」以外でお目にかかったことはありませんが,今後新たな品種が出てくるかもしれません。
今回の記事では,立性で紅葉が美しい「レインボー・サプライズ」と,這性で斑入り葉が特徴の「キルキー」の2品種の成長記録を紹介しています。
日当たり
日当たりを好み,耐暑性も強いです。「コプロスマは寒さに弱い」「戸外での冬越は難しい」というネットの情報を見かけますが,我が家では3号ポット苗を冬前に地植えして余裕で冬越しできました。なので耐寒性も高いという印象です。
(余談:園芸サイトあるあるですが,環境や気候の違いを考慮しても実際に育てた実感と余りに異なる記載もあって「本当に育てて確認したの?」と思ってしまうことがあります。。)。
育て方
地植えの場合は水やり不要です。肥料は,やり過ぎると葉色が悪くなるようなので,半年に一度,置き肥をすれば十分と思います。虫は全くつきません。
成長記録
植えた場所
今回植えたのは,とても日当たりの良い場所です。むしろ日当たりが良すぎて,これまで枯れるはずのない植物を何度も枯らしてきた場所です。これまで他の場所では順調に育った低木の「ロータス・ブリムストン」,「サザンクロス」が枯れてしまっています。
コプロスマの強健性に期待して植えてみました。
2020年11月
だいぶ涼しくなってきた秋後に,立性の『レインボー・サプライズ』と這性の『キルキー』を地植えしました。
こちらが植え付け直後の様子です。右にあるピンクの花は一年草の「ニチニチソウ」です。
次に,半月後に近くに這性のコプロスマ・キルキー(カーキー)を植え付けました。
まだまだ両方とも小さく,3号ポットなので横幅10cmくらいしかありません。
2021年3月
春になりました。大きさは殆ど変わっておらず横幅10cmくらいのままです。真冬の寒さに当たったため,紅葉が深まり真っ赤になっています。
2021年7~8月
だいぶ暖かくなってきて,新芽や枝が伸びてきています。新しい葉っぱは,薄っすら赤みを帯びてますが,斑入りの緑葉といった外観です。
ちなみに左隣に咲いている紫花は,宿根草の『サルビア・ネモローサ(カラドンナ)』です。
背後には「コプロスマ・キルキー」が見えます。
アップしたのがこちらです。春先と比べると,そのまま枝が横に伸びた感じです。
さらに1ヶ月後のキルキーの様子です。気温が上がって,さらに成長が進んで株のボリュームが増しています。
2021年11月
ほぼ1年が経ち,二年目の秋となりました。まずこちらが立性の『レインボー・サプライズ』です。気温が下がってきたので,また葉が紅葉しています。大きさは,1年経っても横幅20~30cmほどとそれほど大きくなっておらず,成長はゆっくりだと思います。
ちなみに株元に(写真の手前側)植わっているシルバーリーフは『ディコンドラ・シルバーフォールズ』というグランドカバー(多年草)です。右のピンク花の一年草『ニチニチソウ』(二代目)とコラボして,結果的に寄せ植えっぽくなっています。
次が這性のキルキーです。なんだか,枝が不格好に横に伸びて株元がスカスカになっています。原因は不明ですが,やはり真夏の暑さで多少元気がなくなったのと,剪定を全くしなかったので,株元から枯れこんできたのではないかと思っています。
ローズマリーなんかと同じです。這性のキルキーは,間延びするので適宜剪定して挙げた方がよさそうです。
這性のキルキーは,間延びするので適宜剪定する
という訳で,我が家で最も過酷な環境でコプロスマ2種類とも問題なく?育成することができました。間延びに注意して来年以降の成長も楽しみたいと思います!
まとめ
今回は光沢あるカラーリーフが人気の『コプロスマ』の地植えでの成長記録をまとめてみました。
立性(コプロスマ・レペンスの赤葉種)と這性(コプロスマ・キルキー)を育ててみて,両方とも厳しい真夏と冬を常緑で越すことができました。また成長速度もゆっくりで,育てやすいことも分かりました。丈夫で育てやすいコンパクトな低木を探している方には(矮性「アベリア」と並んで)おすすめな植物です。
★★★