『バーベナ・ボナリエンシス』はバーベナの1品種で,紫の小花を半球状を集めたような花姿をしています。一方,背が高い品種で「三尺バーベナ」とも呼ばれますが,3尺(約90cm)を超えて草丈は1m以上に高くなります。縦に高くなり横に広がらならず扱いやすいため,花壇の後方に植えるナチュラルガーデンの素材として定番の宿根草です。花は初夏の5月から秋の初めの9~10月くらいまで長く開花します。
我が家では,裏庭をナチュラルガーデン風にすべく,バーベナ・ボナリエンシスを育ててみました。実際に育ててみて,秋植えした苗は無事冬越して初夏に開花し,真夏の間もずっと花が咲き続けました。今回の記事ではバーベナボナリエンシスの1年間の成長に記録を紹介します。
↓昨秋の裏庭への宿根草植え付け時の様子はこちらの記事にあります。
基本情報
種類 | 草花 多年草 |
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学名 | Verbena bonariensis |
花色 | 紫 |
開花時期 | 5-10月 |
最大草丈 | 1.5m |
耐暑性/耐寒性 | 普通/強 |
バーベナの種類
バーベナといっても実に多種多用です。今回その中でも代表的で我が家でも育てている4品種を紹介します。
①スーパーベナ(1年草扱いされますが,冬越し可能な多年草)
一般的なバーベナを蒸れや病気に強く品種改良した,PW(Proven Winner)のブランド品種です。ノーマルバーベナと似た花や葉姿をしています。成長は早く,横幅60cmくらいに大きくなります。他の品種と比べると小花のサイズも大きいです。
②宿根バーベナ(テネラ)(多年草)
切れ込みがある葉や花姿など,見た目はタピアンに似ていますが,縦に伸びます。花期はとても長く,春から晩秋まで良く咲きます。またその名の通り冬越しできます。
宿根バーベナ(テネラ)については,こちらの記事にあるので良かったらご覧ください。
③バーベナ・テネラ・オーレア(多年草)
バーベナ・テネラの黄金葉の品種です。他のバーベナとは異なり花は白色です。白花と明るい黄色のカラーリーフで,廻りを明るくしてくれます。あまり大きくならず30cmくらいどまりです。
④タピアンシリーズ(多年草)
サントリーが開発した,横に這って成長するタイプのバーベナです。とても成長旺盛で,グランドカバーとして雑草抑制にも使われます。花色は薄~濃紫まで選べます。
そして今回の記事は,上の4品種ともまた異なる「バーベナ・ボナリエンシス」についてです。花姿は,小花が集まったテネラと似ていますが,とにかく背が高くなり,1.5m程度になります。詳しくはこの後の成長記録で紹介します。
ナチュラルガーデンの定番
バーベナ・ボナリエンシスは,ナチュラルガーデン作りの素材としてよく紹介されます。趣味の園芸(2020年6月28日放送)のナチュラリスティックガーデン特集のときも,バーベナ・ボナリエンシスが紹介されていました。
この他,ナチュラルガーデンづくりの園芸本などでも定番の宿根草として必ずと言っていいほど紹介されています。
一方,その割に園芸店でも見かけることが珍しく手に入りにくい印象です。購入は大型園芸店かネット購入がおすすめです。
植える場所
草丈が1m以上に高くなり,その先端につく花はそこまで主張しないので,自然風の庭の花壇の後方に地植えするのがおすすめです。
育て方
暑さ寒さに強く生命力が強いので,植え付け後は放任で大丈夫です。また,背が高くて強風で折れないの?と心配になりますが,茎は固いので意外と折れることは稀です。
成長記録
2020年10月
10月上旬に,開花が終わったバーベナ・ボナリエンシスの3.5号ポット苗を購入しました。 植えたのは,我が家の北向きある裏庭の斜面です。昔は雑木だらけで日当たりが悪かったのですが,だいぶ伐採したので日当たりが改善してきました。半日陰といったところです。
葉の形ですが,他の品種と同様に切れ込みはありますが浅く,表面が少しガサガサした感触です。上で紹介したバーベナ4品種の中では,スーパーベナに近いです。
2020年12月
斜面の少し下辺りにもう一株植えました。こぼれ種からも増えるようですが,1株だと心元ないので増やしてみました。
12月中旬なので,かなり気温が下がってきましたが,今のところ常緑をキープしています。
2021年2月
真冬のピークが過ぎた頃です。バーベナ・ボナリエンシスは宿根草と言われているので,冬は葉は枯れたようになると思っていたのですが,結局常緑のまま冬を越したようです。多年草なので冬越しするのは想定内でしたが,常緑なのは意外でした。
寒冷地では葉は落ちるみたいなので,我が家が温暖な地域(鎌倉市)だからかもしれません。常緑性は,来年も見て確かめてみたいと思います。
2021年4月
常緑のまま春を迎えました。4月中旬くらいから急にグングンとまっすぐ縦に茎が伸び始めました。次の写真は4月下旬ですが,もう全体が写っていません。。
次が全体の写真です。この時点で草丈60cmくらいはあります。
2021年5月(開花)
初夏になりました。 次は斜面の上から見た様子です。
5月中旬になって,もう開花しました!もう草丈は1m以上となっています。背が高すぎて,花を撮ろうとすると全体が写らなくなってしまいます。。
こんな背が高くて強風で折れないの?と心配だったのですが,茎が固く強風でも折れることはなかったです。
こちらがアップです。小さな薄紫の小花が集まっています。風に揺られる姿が風情があるので気に入っています。
2021年6月
梅雨入りした6月の中旬になっても元気に咲き続けます。咲き終わる花もありますが,それ以上に新しい花がポンポン咲くので,止むことなく咲いているように見えます。
2021年7月
7月になりだいぶ気温が上がってきましたが, 5月からずっと休むことなく花が咲き続けています。
こちらは斜面の下からの写真です。茎は一番高いところで1.5mくらいまで伸びていますが,まっすぐ上に伸びてあまり横に広がらないので,周りの邪魔になりません。
この写真でもなかなか伝わらないですが,花茎が風に揺られる姿がとてもきれいなんです。
2021年8月
真夏になりました。こちらは斜面の下からの写真ですが,当初ナチュラルガーデンを狙った庭も,雑草の生命力が凄くてすっかりワイルドガーデンとなってしまっています。。残念ですが,バーベナ・ボナリエンシスは強健なので,雑草の勢いに負けずに元気に育っています。
さずがに長かった開花期のピークも過ぎて,少し花数が減っていますが,5月の開花から9月過ぎの約半年間も花が咲き続るので, 本当に頼もしい存在です。
まとめ
今回は,背の高い宿根草でナチュラルガーデンの素材の定番もある『バーベナ・ボナリエンシス』について記事にしました。実際育ててみて,初夏から絶え間なく咲き続ける薄紫の涼しげな花,雑草に負けない強健さが際立っていました。横に広がらないのでワンポイントに使えるし,花壇の後方に植える花期の長い強健な宿根草をお探しの方にかなりおすすめの植物です。
★★★★