我が家でシンボルツリーとして植えている『オリーブ(ロシオーラ)』ですが,植えて2年半が経った頃『オリーブアナアキゾウムシ』の被害(食害)にあってしまいました。その存在自体は知っていたのですが,対策が十分で無く,昨年の秋(2020年11月)に『オリーブ株元の複数の穴』に気づいたときには,枯れはしないまでも,オリーブの樹勢が衰えてしまっていました。
今回の記事では,まずは原因となる「オリーブアナアキゾウムシ」について紹介したたあと,我が家のオリーブの被害状況を実例に,事前のおすすめの予防対策,被害にあってしまった後の対応,さらに我が家のオリーブの復活の様子について紹介したいと思います。
↓今回話題のオリーブの成長記録はこちらです。
- オリーブアナアキゾウムシとは?
- オリーブが元気だった頃(2020年6月)
- オリーブの樹勢の衰えとゾウムシ発見・駆除(2020年11月)
- 「オリーブアナアキゾウムシ」対策後の経過(2021年5月)
- まとめ
オリーブアナアキゾウムシとは?
まず「オリーブアナアキゾウムシ」とは何なのか?我が家に現れた「オリーブアナアキゾウムシ」を実例に紹介です。
基本情報
種類 | 常緑高木 |
---|---|
名前 | オリーブアナアキゾウムシ |
大きさ | 1~2cm |
寿命 | 3~4年 |
生息地域 | 日本全域 |
餌 | 幼虫:オリーブやネズミモチ(タマツバキ)など,成虫:樹液 |
『オリーブアナアキゾウムシ』の歴史とオリーブの食害
まずの『オリーブアナアキゾウムシ』という名前ですが,オリーブという名からして欧米から来た外来種のようですが,日本古来のゾウムシのようです。
もともと日本国内でネズミモチ(タマツバキ)などの木を好んで寄生していましたが,欧米から日本に導入されたオリーブがたまたま日本の固有のゾウムシの好物であった(食べてみたら美味しかった)ことから,オリーブが食害されるようになったようです。さらに,その後オリーブが庭木として普及したこともあり,その存在と被害が知られる様になりました。
その名の通りゾウのような特徴的な口吻(ふん)を持っていて,そこから硬いオリーブの木(主に根本部分)に穴をあけて卵を産み付けます。
そして孵化した幼虫がオリーブの木を食い荒らします。これが食害です。
その後,成虫になって木の外に出ていきます。このため,残った穴を見て初めて被害に気づくことも多いようです。
生息場所
生息地域は日本全国ですが,場所はオリーブの木の近くです。
普段は,オリーブの株元の枯れ葉の下に潜んでいて,ときどき枝にぶら下がっていたり,近くの外壁などにしがみついていたりします。普段から,なるべくブロワーなどで吹き飛ばすなど枯れ葉を溜めないようにしましょう。
捕獲方法
動きは遅いので捕まえるのは容易です。また,体に突起物などはなく触っても痛くないので素手で捕獲可能です。虫が嫌いな人は適宜手袋などを使いましょう。
駆除方法については記事の下の方で,幼虫,成虫に分けて我が家のオリーブを実例に紹介してます。
擬死(死んだふり)
『オリーブアナアキゾウムシ』の特徴的な性質として,物理的な刺激を体に与えると,体が硬直して死んだようになります。
成虫を見つけて木から引きはがす時も,最初はかなり強めに抵抗されてなかなか剥がれませんが,突然抵抗がピタリととまるので,力の加減を誤って落として見失ってしまったことがあります。
体が硬直しても油断しないで,害虫なので確実に捕殺しましょう。確実に退治するには,アースジェットなどの殺虫剤で駆除しましょう。
オリーブが元気だった頃(2020年6月)
こちらがこの記事の1年前のときのオリーブです。
下の記事にありますように,日当たりが良くて環境も良いためか、驚異的な成長で元気に枝葉が茂っていました(ちょっと剪定しなさすぎですが。。)
ただ初夏から秋にかけて「やたらゾウムシがいるな」とは思っていました。しかし当時は知識がなかったので,積極的に駆除するわけでもなく放置してしまいました。
オリーブの樹勢の衰えとゾウムシ発見・駆除(2020年11月)
樹勢の衰え
秋ごろになり異変に気付きます。
常緑樹のはずのオリーブが落葉し,落ち葉がたくさん落ちています(『落』が多いですね,どうでもいいですが。)。また残った葉も黄色く元気がないのです。。
夏頃からやけに葉が落ちるとは思っていたのですが,このオリーブの地植え直後の頃にかなり葉が落ちたことがあり「葉が落ちてもいずれ復活する」という思い込みがあり放置していました。
しかし少し離れたところにある別のオリーブは全く葉が落ちていません。
ここでようやく何か変だと気づき株を調査してみました。
穴の発見
するとありました。。
別の角度で見たここにも・・・
先ほども書きましたが,オリーブの木の周りに大量のオリーブの落ち葉があります。樹勢の衰えによる落葉です。
ゾウムシの「幼虫」の駆除①スミチオン乳剤散布
オリーブの木に穴を見つけたとき、付近におが屑のような木の粉が出ている場合は,現在進行形で虫が木を食べているといことなので,真っ先に処置をしましょう。
一方,木の粉がない場合はすでに幼虫に木を食い荒らされてすでに成虫になってでていってしまっている可能性もあるので,対処しても遅いようです。
しかし,今回は木の粉らしきものが少しでていたので,処置をすることにしました。
ゾウムシの幼虫を駆除するには,スミチオン乳剤の希釈液(50倍)をスポイトなどで穴に注入するやり方が一般的です。
しかし,スミチオン乳剤は皆が持っているものではないと思います。(もってる人は使ってください。)
また,「これから買いにいくのでは遅い,面倒,今すぐ退治したい」という方も多いと思います。
ゾウムシの「幼虫」の駆除②アースジェット
そこで簡便に行う方法としておすすめしたいのは,アースジェットなどの殺虫剤を使うやり方です。
植物への影響は大丈夫なのか?ということですが,もちろん良いものではないですが,「オリーブアナアキゾウムシ」の幼虫という,殺虫剤以上にオリーブにとって悪いものを退治するためなので,『今すぐ・手軽に』対策するなら仕方がないと考えています。ちなみに我が家ではこちらの方法を試しましたが,半年経過した現在でも影響は見えていません。
アースジェットの植物の影響はこちらの公式ページにあるのでご覧ください。
植物への影響がどうしても気になるかたは,こちらの植物への影響を抑えたタイプの殺虫剤がおすすめです。
『●庭木や花壇の近くでも使える!
舞い散りが植物にかかっても枯れにくいので、庭木や花壇の近くでも安心してお使いいただけます。』
とあり,安心です。我が家でも使っていますが,殺虫効果も高いです。
ゾウムシの「幼虫」の駆除③曲げた針金
あともう一つ有効なのが,曲げた針金で物理的に幼虫を攻撃する方法です。
これで奥に入り込んだ幼虫も退治することができます。グリグリやると木に良くないんじゃないの?と思われるかもしれませんが,オリーブはそんななヤワではありません。
やわらかいところは,幼虫に食いつくされたおが屑やフンなので,遠慮なく掻き出して,強めに突きましょう。
ゾウムシの「成虫」の駆除
オリーブの食害の主は『幼虫』ですが,『成虫』は卵を産み付けるので駆除が必要です。
成虫は見つけ次第捕獲し,安全な場所で「アースジェット」のような殺虫剤を吹きかけましょう。これが一番確実です。
ちなみに,最初にも書きましたが,死んだふりがとてもうまいのがゾウムシです。強めのデコピンではじいてみましたが,次の写真のように足が硬直して全く動かなくなります。
ですがその後,5分くらいして見に行くと元気に足をバタつかせて,起き上がろうしていました。
やはり確実に成虫を駆除するには殺虫剤を使うのがおすすめです。
穴の後処理
幼虫駆除後に空いた穴はどうすればいいでしょうか?一度穴が開くと,中にゾウムシ以外にもダンゴムシなどが入ってきてしまいます。また,見た目にもよくないので,「カルスメイト」で穴を埋めてしまうのがおすすめです。
「オリーブアナアキゾウムシ」対策後の経過(2021年5月)
オリーブアナアキゾウムシの食害に気づいて対策後,半年が経過しました。
オリーブの状態はどうなったかといいますと,
相変わらず葉はスカスカです。。まだ復活までは時間がかかるようです。
また気温が上がってきて,「オリーブアナアキゾウムシ」が発生してきました。ある日は,3月に見かけて以来2か月振りの発見ですが,なんと一度に3匹も見つかりました(虫嫌いの方,注意)。。
体をつつくと下のように体が硬直します。相変わらず死んだフリのうまいやつらです(虫嫌いの方,注意)。
これまでゾウムシにやられっぱなしでしたが,よく見ると新芽も出てきています。
そして花も咲いてきました。
復活の様子もうかがえますので,今後も回復具合を見守っていきたいと思います。
まとめ
今回は我が家のオリーブに発生した「オリーブアナアキゾウムシ」について記事にしました。今後も完全復活に向けて,変化が見えたらこの記事に追記していきたいと思います。