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『芝』の育成~初夏に実施したサッチングとエアレーション作業

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 今回は我が家の『芝』について,基本メンテ作業であるサッチング,エアレーション(後で詳しく説明)を初めて実施してみましたので,記事にしてみました。

 我が家の芝は,3年前の外構工事のときに張った一般的な高麗芝です。しかし,2年前にかなりメンテを怠り,伸び切った状態で芝刈りをした結果,いわゆる『軸刈り(こちらも後で詳しく説明)』の状態となってしまい,生育状態がいまいちとなってしまいました。そこで,今回,生育状態の改善をはかるべく,『芝』の基本メンテ作業である,サッチングとエアレーションを実施してみました。

↓前回記事(そういう意味では,前回の芝刈りも「枯れ芝」とはいえ,かなりの軸刈りでした。。)

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芝の種類

  冒頭にも書きましたが,我が家の芝は2017年(この記事の3年前)の7月に実施した南庭の外構工事のときに,業者に張って貰ったものです。詳しい種類は分かりませんが,一般的に出回っている高麗芝です(TM9とか〇〇産とかのブランド品種ではないです)。一般的な品種なので,多くの方の参考になるのではないでしょうか。

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芝の状態

 3年前(2017年)に張った芝ですが,今(2020年)の生育状態はあまり良くないです。なぜかというと,1年前(2019年)の春の芝刈りのときに,芝がボーボーに伸び切った状態で,成長点より下で切ってしまったからです。芝刈りの素人がやってしまう,いわゆる『軸刈り』です。

 一般的に,芝は短い状態で芝刈りをすれば,成長点より上でカットすることになるので,また新しい芝が生えてきます。しかし,芝が伸び切った状態で刈り込むと,成長点より下でカットすることになるので,原理的は新しい芝が生えてこなくなってしまいます。

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左:正常な芝刈り(成長点の「上」でカット),右:軸刈り(成長点の「下」でカット)

 一般的に,1度軸刈りしてしまうと回復は難しいようです。

 我が家の芝も,軸刈り以降,昨年(2019年)は新芽があまり生えてこなくなってしまいました。メンテという面では楽なのですが。。が,今回のサッチング・エアレーションと,時間経過の効果で,回復しないかと期待しているところです。

 

 それでは具体的に現在の芝の生育がどんな感じなのか,今年の春先からメンテ作業までの成長を見ていきます。

2020年3月下旬

 こちらは前回の記事の最後の状態,春先の芝刈り直後の様子です。まだ冬枯れした芝です。

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2020年5月中旬

 こちらはおよそ2カ月後の様子です。緑の芝が少し生えてきてはいますが,生え方にかなりムラがあります。特に左の部分は枯れたままになっています。

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 今回は,この左の枯れた部分を重点的に,サッチングとエアレーションを実施してみました。

 

芝の手入れ

①サッチング

 まず,サッチング(Thatching)の方です。『サッチング』とは,芝の目地に詰まった枯れた古い芝を,熊手などを使って取り除く作業です。冬場に発生するサッチ(枯れた芝)は,年々芝の目地に溜まっていきますが,一定以上の厚さになると地表からの栄養や酸素の供給を阻害するため,生育不良の原因となります。

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左:サッチが溜まった状態(サッチにより栄養の供給が阻害),右:サッチング後(栄養が根に届く)

出典:https://www.milorganite.com/

 サッチングの作業の時期は,春先(2~6月)がおすすめとされています。理由は,冬場に発生したサッチが春先に溜まりやすいということ,またサッチングは芝にある程度が負担がかかりますが,成長期の春~夏にかけて回復しやすいというのがあります。サッチングの頻度は,サッチが溜まったら随時で,年1回くらいで良いようです。

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 今回,少し遅れて5月中旬ですが,『サッチング』をやってみました。道具は専用のものは新たに購入せず,手持ちの小さな熊手を使いました。理由は,サッチが溜まったエリアが狭かったので(写真の左側の禿げたところ),この程度あれば小さな熊手で十分と思ったからです。

 次が,熊手を使って取り除いたサッチです。芝を熊手で数掻きすると,これくらいの量は取れます。f:id:enoshima07:20200606140428j:plain

 これを繰り返し,土の表面が見えてきたら,その場所の作業は完了です。そして,次の場所のサッチを取り除いていきます。

 サッチングの作業の効果は,次回の記事で確認したいと思います。

 

②エアレーション

 芝は一旦張ってしまうと土壌を完全に覆うため,土を耕すことができません。エアレーション(Aeration)はその代替となるものです。作業としては,土壌に穴を開けることで,土壌を柔らかくするとともに,その名の通り空気中の酸素(O2)や水(H2O)を供給します。これらの効果とともに,適度に根きりをすることで,根の成長を促進するというものです。 

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左:エアレーション前,中:エアレーション直後、右:エアレーション後しばらく経過

出典:https://www.greenandvibrant.com/lawn-aeration

 時期はサッチングと同様,春先(3~6月)がおすすめとされています。理由は,エアレーションによって根切りすることで芝に負担がかかりますが,成長期の春~夏にかけて回復しやすいためです。エアレーションの頻度は,年に1~2回が良いようです。

 道具は,専用のものを購入しました。理由は,家に代替になるような道具が見当たらなかったのと,作業性が圧倒的に良いからです。

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 使い方はとても簡単です。10cmほどの長さの刃(鋭利でなく安全です)がついたバーに足で体重をかけて,芝にブスっと挿すだけです。芝の根がブチブチっと切れる音がして少し快感だったりします。


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  引き抜くと小さな穴が開きます。このまま放置する根が直接空気に触れて乾燥してしまいます。

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 そこで, エアレーションの後は,できた穴を中心に芝専用の目土を撒き,土や根の乾燥を防ぎます。こちらの芝専用目土は,ホームセンターで買ってきたものです。だいたい培養土と同じ価格帯で,あまり使用頻度も高くないので,気が付いたら1つ買っておきましょう。

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 最後に水を遣り保湿します。これで作業は完了です。

 

 

 サッチング・エアレーションの結果,芝の状態がどうなったのか?こちらの記事で書いていますのでご覧ください。

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まとめ

 今回は我が家で不調に陥っている,3年目の『高麗芝』のメンテ作業(サッチング,エアレーション)について記事にしてみました。文章だけでなく,図表を使って,作業の意味,内容,効果分かりやすくしたつもりですので,芝管理のお役に立てれば幸いです。