グランドカバーとは
グランドカバー(Ground Cover)は庭や花壇の土面をカバーしてくれる植物です。英語からするとグラウンドカバーが正解なのでしょうが,日本ではグランドカバーと一般的に呼ばれています。雑草対策になるのはもちろんですが,うまく選べば,シンボルツリーとか,寄せ植えをレベルアップできます。
これまで,さまさまざま常緑や宿根草に分類される植物を100種類近く試してきましたが,いずれも冬に変色してボロボロになったり,真夏に枯れるなど,一年を通じてきれいな状態をキープできる植物は殆どありませんでした。また,宿根草にしても,シーズンオフ時に地上部が枯れるので,春に復活するとしても,枯れた姿が美しくない,枯れた部分の撤去などメンテが面倒,などのデメリットがあると思います。そんなこんなで品種選びがとても難しいグランドカバーですが,ほぼノーダメージで冬,真夏を乗り切れる,厳選のおすすめ品種をご紹介します。
おすすめグランドカバー13選
①スーパーアリッサム
一番のおすすめです。2018年に有名園芸店のベテラン店員さんにオススメされたのが,きっかけで買いました。一番の良さは,花がきれいで真夏以外,ほぼ一年中花が咲くこと,年間通してきれいな斑入りの葉をきれいに保つことです。地植えの場合,真夏の直射日光にはさすがにダメージを受けますので,そうならない場所に植えか,日陰を作ってあげてください。
それもしても我が家では,冬入りしてもずっと満開です(2019/12~2020/3の間ずっと満開です)。
最近では,白花だけでなくて,紫花の品種もできいます。2株買ってみました,環境が直射に西日が思いっきり当たるところだったのもあると思いますが,白花より少し暑さに弱い印象です。
②ベロニカ オックスフォードブルー
春先に小さな濃い青花を株いっぱいに咲かせてくれます。また葉は,春~夏までは少し茶色を帯びた緑ですが,秋冬になると紅葉して銅色に代わり,味が出ます。真夏の直射日光に気をつければ,一年中鑑賞価値のある素晴らしいグランドカバーです。
③ハツユキカズラ
こちらも優秀なグランドカバーです。春から夏の,緑と白の葉の模様のコントラストが個性的です。秋には紅葉しますが,これがまだ花壇に冬らしい赤の彩りを添えてくれ,ポイントが高いです。うちでは,シンボルツリーの下草をはじめ,至るところにグランドカバーとして植えています。冬になり,真っ赤に紅葉しているのが分かると思います。
また,つる性なので,壁に合わせることも可能です。強健で,直射日光に強いのもうれしい特徴と言えます。
④アジュガ
耐陰性もあるアジュガは,一般的な銅葉の他,斑入りや,緑葉など様々な種類があります。花期が3~5月と長く,ほぼ一年中キレイな葉をキープできます。ただし,さすがに真夏の直射日光が終日当たるような場所ですと地上部は枯れる場合がありますので注意ください。
冬の間は,春の開花前の美しい葉を楽しむことができます。
春の開花時は,花茎が立ち上がり花をたくさん咲かせます。アジュガは花後にランナーを延ばして株を増やします。うまく育つと群生し,開花時はとても見事です。
⑤ローダンセマム
春先に長く咲くマーガレットに似た花と,シルバーリーフが美しい植物です。花色は,ピンク,白が代表的で他に赤色もあります。
常緑植物ですが,真夏に直射日光が長時間当たると葉の密度が下がってきて,株がダメージを受けます。秋にはかなり回復し,冬の頃にはむしろ元気になり下の写真のようにこんもり茂ってきます(2019/12)。
開花期は2~5月ですが,春の満開後に切り戻すことで,秋頃に2度目の開花を見れる場合があります。また,美しいシルバーリーフは一年中楽しめるという,大変見どころの多いオススメ植物です。
⑥ヒューケラ
耐陰性のあるグランドカバーとして定番の,ヒューケラです。ヒューケラの魅力はやはりカラーリーフです。人が想像できる色はほぼ揃っているのではないかと思うほど,色が豊富です。春に咲く花も,葉色から想像できない花色をしていたりと,意外と楽しめます。常緑ですが,直射日光に長時間当たる場所に植えた場合や,1~2月ごろの真冬には少しだけ葉を落とすようですが,春先には回復します。
数少ない,日陰向きのグランドカバーです。
⑦ディコンドラ(ダイカンドラ)・シルバーフォールズ
貴重なシルバーリーフのグランドカバーが「ディコンドラ・シルバーフォールズ」です。その名の通り,葉の表面が少し光沢のあるシルバーリーフで,周囲の植物のカラーリーフを引き立てます。場所にうまく順応すれば,冬の常緑でかなりのスピードで繁殖します。
↓こちらは「ディコンドラ」の3年間の成長記録です。
⑧カンパニュラ・アルペンブルー
カンパニュラ・アルペンブルーは,初夏に星形の花をたくさん咲かせる常緑多年草です。花色は,他に白とピンクがあり,それぞれ「アルペン・ホワイト」,「アルペン・ピンク」と呼ばれます。見た目は繊細そうですが,丈夫で育てやすい初心者向けの植物です。花の魅力という点で今回紹介した中でもかなりポイントは高いので,かなりおすすめの植物です。
↓こちらは「アルペン・ブルー」と「アルペン・ピンク」の成長記録です。
↓こちらは「アルペン・ホワイト」の成長記録です。
⑨ワイヤープランツ
ワイヤープランツは草花にも見えますが,ツル性の常緑低木です。耐暑性,耐寒性ともに強く,一年中きれいな葉を楽しませてくれます。夏から秋にかけて小さな薄緑色の花を咲かせますが,目立たず鑑賞価値は低いです。ワイヤープランツはさらに耐陰性もあるので,北側の庭でも常緑で,スカスカにならずきれいに育ってくれています。花へのこだわりがなく,葉姿が気に入れば,グランドカバーとしては一番のおすすめかもしれないです。
⑩ツルニチニチソウ
耐暑性,耐寒性ともに強く,一年中常緑できれいな斑入りの葉を楽しませてくれます。4~6月には紫色の花も見せてくれます。ただし,成長がとても早く,放置するととめどもなく広がるのでご注意ください。
⑪イベリス
アリッサムと少しにていますが,4枚の花弁のうち、外側の2枚が大きくなるのが特徴で、小花が多数集まって大きな花房になります。花房は、咲き始めは平らですが、咲き進むと盛り上がって長い穂になります。
耐寒性はとても強く,真夏の直射日光だけ避ければ,1年中きれいな緑葉をキープしてくれ,春には毎年白花を咲かせてくれます。イベリスもお庭に欠かせないグランドカバーです。
⑫クリーピングタイム
クリーピングタイムは,シソ科イブキジャコウソウ属の這性(横に広がる性質を持つ)のタイムです。ここでの『クリーピングタイム』は総称で,ここに含まれるタイムとしては,ワイルドタイム(こちらが一般的に「クリーピングタイム」として販売されている品種です),タイムロンギカウリス,イブキジャコウソウ(属性の名前ですが,「イブキジャコウソウ」という名前の品種もあります)が含まれます。いずれも強健でグランドカバーとして使えます。春には,ピンク色の花をたくさん咲かせ,まるでピンクの絨毯のようになります。とても強健でおすすめのグランドカバーです。
⑬リシマキア ミッドナイトサン
グランドカバープランツとして有名なリシマキアです。メジャーどころですと,他に,黄緑の丸形の葉が特徴のリシマキア ヌンムラリア オーレア,斑入りのリシマキア リッシ―が有名です。
我が家ではいずれも植えてみたのですが,冬場いずれも枯れる,あるいは枯れたように美しくなくなってしまいました。その中で,冬も比較的きれいな状態を保てて,リシマキアの中でもっとも強健だったのが,このリシマキア ミッドナイトサンです。黒色の葉がシックで,初夏には黄色の花を咲かせます。この花が意外と豪華で鑑賞価値が高いです。リシマキア最強の品種ミッドナイトサン,おすすめです。
↓リシマキア3品種を比較した記事です。
↓こちらはリシマキア・リッシーに特化した成長記録の記事です。
まとめ
今回は,おすすめの常緑グランドカバープランツとして次の植物たちを紹介しました。
- スーパーアリッサム
- ベロニカオックスフォードブルー
- ハツユキカズラ
- アジュガ
- ローダンセマム
- ヒューケラ
- ディコンドラ・シルバーフォールズ
- カンパニュラ・アルペンブルー
- ワイヤープランツ
- ツルニチニチソウ
- イベリス
- クリーピングタイム
- リシマキア ミッドナイトサン
是非,花壇のグランドカバーとして,鉢の寄せ植えとしてご検討いただければと思います。